社交不安症に対するエスシタロプラムの効果は 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/02/24 北海道大学の朝倉 聡氏らは、日本人社交不安症(SAD)患者におけるエスシタロプラム(10および20mg/日)の有効性、忍容性をプラセボ対照二重盲検試験により比較を行った。Current medical research and opinion誌オンライン版2016年2月5日号の報告。 一次的診断でSAD(DSM-IV-TR定義)と診断された18~64歳の患者(ベースライン時のLSAS-Jスコア:60以上、CGI-Sスコア:4以上)をプラセボ群、エスシタロプラム10mg群、エスシタロプラム20mg群に無作為に割り付けた。主要評価項目は、階層検定手順を使用し、エスシタロプラム10mg群、同20mg群対プラセボにおけるLSAS-J総スコアのベースライン時から12週目までの変化量(ANCOVA、FAS、LOCF)とした。事前に設定した副次評価項目にはLSAS-J感度分析が含まれた。 主な結果は以下のとおり。 ・有効性の主要評価項目について、LSAS-Jにおけるプラセボ群との差異は、エスシタロプラム10mg群で-3.9(p=0.089)であった。 ・エスシタロプラム10mg群における対プラセボ群の優位性は確認できなかったが(多重性の調整なしの分析)、エスシタロプラム20mg群において差が認められた(p<0.001)。 ・事前に設定した感度分析におけるプラセボとの差は、エスシタロプラム10mg群で-4.9(p=0.035[ANCOVA、FAS、OC])、-5.0(p=0.028[MMRM、FAS])、エスシタロプラム20mg群で-10.1(p<0.001[ANCOVA、FAS、OC])、-10.6(p<0.001[MMRM、FAS])。 ・主な有害事象は、傾眠、悪心、射精障害であった(発生率5%およびプラセボと有意に異なる)。 結果を踏まえ、著者らは「エスシタロプラムは、日本人SAD患者に効果的かつ安全で、良好な忍容性を示した。患者の特性を含めた研究の限界について、議論すべきである」とまとめている。 関連医療ニュース うつ病や不安障害患者は、季節性の症状変化を実感 妊娠初期のうつ・不安へどう対処する 双極性障害患者の約半数が不安障害を併存 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Asakura S, et al. Curr Med Res Opin. 2016 Feb 5:1-9. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 乳房切除後の胸壁照射、10年OSを改善せず/NEJM(2025/11/25) 1型糖尿病の高リスク乳児、経口インスリンの1次予防効果は?/Lancet(2025/11/25) 未治療CLL、オビヌツズマブとベネトクラクスの併用が可能に/中外・日本新薬(2025/11/25) 日本のプライマリケア受診の蕁麻疹患者、約3分の1が罹患期間3年以上(2025/11/25) 睡眠薬の血圧コントロールに対する有効性、そのリスクとベネフィットは(2025/11/25) アナフィラキシー、日本の小児で急増している原因食物は(2025/11/25) 網膜の血管から心臓病リスクを予測可能か(2025/11/25) 注射薬のデュピルマブが喘息患者の気道閉塞を改善(2025/11/25) [ あわせて読みたい ] 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)