統合失調症患者の副作用認識状況は:さわ病院 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/03/09 多くの統合失調症患者において、服薬アドヒアランスは不良である。神戸学院大学、さわ病院の橋本 保彦氏らは、統合失調症患者における服用薬剤の副作用の認識について教育的介入効果の検討を行った。Australasian psychiatry誌オンライン版2016年2月24日号の報告。 対象は、国内の病院2施設に入院している統合失調症患者87例。対象患者は、「前月、服用した薬剤による何らかの副作用を経験したかどうか」の質問に回答し、薬剤の副作用認識の有無で2群に振り分けた。 主な結果は以下のとおり。 ・服用薬剤の副作用を認識していたのは、27.6%の患者のみであった。 ・薬剤師による教育および副作用リストを提示した後、認識率は著しく向上した(≦96.6%)。 ・ほとんどの統合失調症患者は、服用薬剤の副作用を明確に認識していなかった。 ・患者は不快感を経験した場合、服薬を中止する傾向があった。 結果を踏まえ、著者らは「副作用は、服薬中止の主な危険因子であり、これらの早期の発見・報告は、より早い患者対応につながる。服薬中止による再発リスクを考慮すると、統合失調症患者に対し専門家は積極的に不快感について教育し、副作用をマネジメントする必要がある」とまとめている。 関連医療ニュース 統合失調症患者、どんな剤形を望んでいるのか 抗精神病薬注射剤を患者は望んでいるのか 精神疾患患者は、何を知りたがっているのか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Hashimoto Y, et al. Australas Psychiatry. 2016 Feb 24. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 初発統合失調症の再発予防に対する抗精神病薬の用量とその効果 医療一般(2022/04/22) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24) あなたにとって、開業の「成功」「失敗」とは?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第42回(2022/08/09) 「後継者採用」という甘い誘いに乗ったら…【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第41回(2022/07/08) 「診療所、知人に売るから大丈夫」、それ本当に大丈夫??【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第40回(2022/06/06) Dr.金井のCTクイズ 初級編(2022/05/17)