FDA、パルボシクリブのHR+ HER2-転移乳がんへの適応拡大を承認

提供元:ケアネット

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公開日:2016/03/11

 

 米ニューヨーク州ニューヨーク発、ファイザー社は2016年2月19日、米国食品医薬品局(FDA)が、転移乳がん治療薬パルボシクリブ(商品名:IBRANCE)125mgカプセルの適応拡大を承認したと発表。これまでの適応症に加え、内分泌療法後に疾患が進行したホルモン受容体陽性・ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HR+HER2-)転移乳がんに対するフルベストラントとの併用治療の承認を取得した。

 今回のパルボシクリブの医薬品承認事項変更申請(sNDA)による適応拡大は、FDAによるブレークスルー・セラピー指定と優先審査プログラムの下、第Ⅲ相試験(PALOMA-3)の結果に基づいて審査・承認されたもの。

 PALOMA-3試験には、内分泌療法後に疾患が進行した転移乳がん患者521名が参加し、パルボシクリブ+フルベストラント群とプラセボ+フルベストラント群に2対1で無作為割り付けされた。結果、パルボシクリブ+フルベストラント群のPFS中央値は9.5ヵ月(95%CI: 9.2‐11.0)、プラセボ+フルベストラント群は4.6ヵ月(95%CI: 3.5‐5.6)と、パルボシクリブ+フルベストラントの投与はPFSを有意に改善した(HR:0.461、95%CI: 0.360‐0.591、p <0.0001)。測定可能病変を有する患者における奏効率(治験担当医師による評価)はそれぞれ24.6%、10.9%、奏効期間はそれぞれ9.3ヵ月、7.6ヵ月であった。

 PALOMA-3試験で認められた主な有害事象は、パルボシクリブ+フルベストラント、プラセボ+フルベストラントにおいて、好中球減少症(83% vs 4%)、白血球減少症(53% vs 5%)、感染症(47% vs 31%)、疲労(41% vs 29%)、悪心(34% vs 28%)、貧血(30% vs 13%)、口内炎(28% vs 13%)、頭痛(26% vs 20%)、下痢(24% vs 19%)、血小板減少症(23% vs 0%)、便秘(20% vs 16%)、嘔吐(19% vs 15%)、脱毛症(18% vs 6%)、発疹(17% vs 6%)、食欲不振(16% vs 8%)および発熱(13% vs 5%)であった。

ファイザー株式会社のプレスリリースはこちら

(ケアネット 細田 雅之)