オランザピン誘発性体重増加を事前に予測するには:新潟大学 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/03/17 オランザピン(OLZ)による治療は、体重増加の高リスクと関連しており、糖脂質代謝異常を引き起こす可能性もある。そのため、OLZ関連の体重増加の機序を解明する必要があるが、まだ十分にわかっていない。近年、レプチンやアディポネクチンなどのアディポサイトカインや、エネルギー恒常性に重要な役割を果たす腫瘍壊死因子(TNF)-αが、体重増加のバイオマーカーとして考えられている。新潟大学の常山 暢人氏らは、レプチン、アディポネクチン、TNF-αのベースライン血漿中濃度がOLZ治療による体重増加を予測するかを検討した。PLoS One誌2016年3月1日号の報告。 対象は、薬物療法未実施または他の抗精神病薬で単剤治療をしていた外来統合失調症患者31例(男性12例、女性19例、28.8±10.2歳)。BMIとレプチン、アディポネクチン、TNF-αの血漿中濃度を調べた。すべての患者には、最大1年間のOLZ単剤治療を開始または切り替えにて実施した。エンドポイントとしてBMIを測定した。 主な結果は以下のとおり。 ・OLZ治療後の、BMIの平均変化量は2.1±2.7であった。 ・BMIは、ベースラインからエンドポイントまでのBMI変化量は、女性患者におけるベースラインのレプチン濃度と負の相関が認められた(r=-0.514、p=0.024)。しかし、男性患者では認められなかった。 ・ベースラインのアディポネクチン、TNF-α濃度は、BMI変化との相関は認められなかった。 著者らは「ベースラインの血漿レプチン濃度は、女性統合失調症患者におけるOLZ治療後の体重増加に影響を及ぼす」とまとめている。 関連医療ニュース オランザピンの代謝異常、原因が明らかに:京都大学 オランザピンの代謝異常、アリピプラゾール切替で改善されるのか 抗精神病薬誘発性の体重増加に関連するオレキシン受容体 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Tsuneyama N, et al. PLoS One. 2016;11:e0149518. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 オランザピン誘発性体重増加のメカニズム 医療一般(2017/09/13) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] ATTR型心アミロイドーシス、CRISPR-Cas9遺伝子編集療法が有望/NEJM(2024/12/23) 更年期のホルモン補充療法、心血管疾患のリスクは?/BMJ(2024/12/23) 完璧なHIV感染予防法にアクセスできるのは?(解説:岡慎一氏)(2024/12/23) 温水洗浄便座を使用する?しない?その理由は/医師1,000人アンケート(2024/12/23) 38種類の抗うつ薬と自殺リスク、小児に対するブラックボックス警告はいまだに有効か(2024/12/23) 帯状疱疹ワクチン、65歳を対象に定期接種化を了承/厚労省(2024/12/23) TN乳がん術前化学療法への周術期アテゾリズマブ上乗せ、EFSを改善せず/SABCS2024(2024/12/23) 増える成人食物アレルギーと新規アレルゲン、「食べたい」に応えるために/日本アレルギー学会(2024/12/23) 「ストレス食い」の悪影響、ココアで軽減の可能性(2024/12/23) [ あわせて読みたい ] クローズアップ!精神神経 7疾患(2021/01/26) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24)