維持期統合失調症治療、抗精神病薬の中止は可能か 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/04/04 南アフリカ共和国・ステレンボッシュ大学のRobin Emsley氏らは、抗精神病薬による維持療法の長所と短所に関する最近の文献をレビューし、推奨事項をまとめた。Current opinion in psychiatry誌2016年5月号の報告。 最近の主な知見は以下のとおり。 ・単一エピソード後でさえ、抗精神病薬治療を中止した場合の再発率はきわめて高い。再発の確実な予測因子はなく、再発は重篤な心理社会的および生物学的結果に結び付く。 ・一方で、よく認識されている抗精神病薬の副作用の負担に加えて、最近の文献では、抗精神病薬治療の曝露の多さと長期転帰の不良との関連性が示唆されている。 ・抗精神病薬を中止した患者と比較し、維持した患者のほうが有効であるというエビデンスの報告は多い。 ・統合失調症単一エピソード後の維持療法に関して確実な回答を得るために、より多くの、より良い研究が緊急に必要である。 ・現状では、臨床医はとくに初期段階では、抗精神病薬治療の継続するよう促すことで、再発防止を優先する必要がある。そのうえで、可能な限り低用量かつ最も適した忍容性の高い抗精神病薬を選択することで、副作用を回避する必要がある。 関連医療ニュース 統合失調症に対し抗精神病薬を中止することは可能か ベンゾジアゼピン系薬の中止戦略、ベストな方法は 統合失調症患者の抗コリン薬中止、その影響は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Emsley R, et al. Curr Opin Psychiatry. 2016 May;29:224-229. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 初発統合失調症の再発予防に対する抗精神病薬の用量とその効果 医療一般(2022/04/22) 日本における統合失調症に対する抗コリン薬使用の特徴 医療一般 日本発エビデンス(2022/06/15) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24) あなたにとって、開業の「成功」「失敗」とは?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第42回(2022/08/09) 「後継者採用」という甘い誘いに乗ったら…【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第41回(2022/07/08) 「診療所、知人に売るから大丈夫」、それ本当に大丈夫??【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第40回(2022/06/06) Dr.金井のCTクイズ 初級編(2022/05/17)