統合失調症患者への健康増進介入はやはり難しい 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/04/11 統合失調症患者における早期死亡の最も一般的な原因は、心血管疾患である。デンマーク・オーフス大学病院のMette Vinther Hansen氏らは、短期試験で有効性が証明されている手法を用いて、非選択的な統合失調症外来患者における心血管リスク因子を減らせるかを検討した。さらに、どのようなベースライン特性が良好なアウトカムと関連しているかも検討した。The International journal of social psychiatry誌オンライン版2016年3月23日号の報告。 2つのデンマークの病院で統合失調症の治療を受けたすべての患者を対象に、1年間の追跡研究を行った。対象患者は、個別およびグループでの健康介入を受けた。体重、腹囲、血糖値、血清脂質、喫煙とアルコールに関する情報を得た。 主な結果は以下のとおり。 ・平均して、BMI、腹囲のわずかだが有意な増加が観察された一方で、他の心血管リスク因子は有意ではないわずかな改善が認められた。 ・ベースライン時にBMIの高い患者、2年超の罹病期間を有する患者においては、介入により有意に良好な結果が得られた。 結果を踏まえ、著者らは「ルーチンケアの一部として、統合失調症患者の身体健康状態を改善することは難しいことが示された。患者に対して介入に参加する動機付けがなく、推奨されるメタボリックリスク指標の管理は困難であった。今後の研究は、ルーチンケアに取り入れることのできる健康増進法として、シンプルな戦略に焦点を当てるべきである」とまとめている。 関連医療ニュース 統合失調症患者の運動増進、どうしたら上手くいくか 統合失調症患者にはもっと有酸素運動をさせるべき 日本人統合失調症患者のMets有病率を調査:新潟大学 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Hansen MV, et al. Int J Soc Psychiatry. 2016 Mar 23. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 生成AIにも認知機能障害!?/BMJ(2025/01/10) 外傷患者への早期の酸素投与、制限的vs.非制限的/JAMA(2025/01/10) ポラツズマブ ベドチン+R-CHPのDLBCL1次治療、5年追跡でも有効性確認 (POLARIX)/ASH2024(2025/01/10) 高K血症治療薬patiromerが心不全治療を最適化-DIAMOND試験サブ解析(2025/01/10) テクリスタマブ、再発/難治多発性骨髄腫に承認/J&J(2025/01/10) 抗精神病薬誘発性体重増加にGLP-1受容体作動薬セマグルチドが有効(2025/01/10) 若年性大腸がんが世界的に増加(2025/01/10) 乳がん患者の脱毛に対するミノキシジル投与は安全かつ効果的(2025/01/10) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)