認知症に進行しやすい体型は 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/04/21 軽度認知障害(MCI)者における認知症やアルツハイマー病(AD)への進行とBMIとの関連について、イタリア・ミラノ大学Luigi Sacco'病院のIlaria Cova氏らが調査を行った。Dementia and geriatric cognitive disorders誌オンライン版2016年3月31日号の報告。 メモリークリニックから得られたMCI者228例(平均年齢:74.04±6.94、女性57%)を2.40±1.58年追跡調査した。ベースライン時の身長と体重は、BMIの計算に用いた。主要評価項目は、認知症(DSM-IV基準)とAD(NINCDS-ADRDA基準)への進行とした。認知症、ADとBMIとの長期的関連性は、血管危険因子および疾患と神経画像プロファイルを含む共変量を包括的に調整し、Cox比例ハザードモデルを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・228例中、117例(51.3%)が認知症に進行した。 ・認知症のうち89例(76%)は、ADであった。 ・未調整および多変量調整モデルの両方において、高BMIは、認知症リスクの低下(多変量調整HR 0.9、95%CI:0.8~0.9)およびADリスクの低下(多変量調整HR 0.9、95%CI:0.8~0.9)と関連していた。 ・低体重は、すべての認知症タイプを増加させたが(多変量調整HR 2.5、95%CI:1.2~5.1)、ADとの関連は認められなかった(多変量調整HR 2.2、95%CI:0.9~5.3)。 著者らは「BMIにより、MCIから認知症およびADへの進行を予測できる。とくに、BMIが高いと認知症、ADのリスクが低下すること、低体重では認知症リスクが上昇することが示された。実臨床においてBMIを評価することで、MCIの予後予測の精度を向上させることができる」とまとめている。 関連医療ニュース アルツハイマー病へ進行しやすい人の特徴は 早期アルツハイマー病診断に有用な方法は 日本人の認知症リスクに関連する食習慣とは (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Cova I, et al. Dement Geriatr Cogn Disord. 2016;41:172-180. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] アルドステロン産生腺腫に対する超音波内視鏡下経胃高周波アブレーション/Lancet(2025/02/21) 肥満者の鎮静下内視鏡検査、高流量鼻カニューレ酸素投与で低酸素症が減少/BMJ(2025/02/21) 妊娠糖尿病とメトホルミン―「非劣性試験で有意差なし」の解釈は難しい(解説:住谷哲氏)(2025/02/21) 第22回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2025(2025/02/21) 1日1杯の緑茶が花粉症を抑制か~日本人大規模コホート(2025/02/21) 日本における第2世代抗精神病薬誘発性ジストニア〜JADER分析(2025/02/21) 50代の半数がフレイルに相当!早めの対策が重要/ツムラ(2025/02/21) 飲食店メニューのカロリー表示は摂食障害の患者にとって有害(2025/02/21) [ あわせて読みたい ] フィーバー國松の不明熱コンサルト (2016/04/07) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) Dr.たけしの本当にスゴい症候診断2(2016/02/07) ナベちゃん先生のだれでも読める心エコー(2015/12/07) Dr.香坂のすぐ行動できる心電図 ECG for the Action! (2015/10/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) ナベちゃん先生のだれでも撮れる心エコー(2015/09/08)