FDAの承認が抗精神病薬の適応外処方に与える影響 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/05/09 FDAによる承認後、多くの薬剤が適応外で処方されている。適応外の使用における有効性や安全性をサポートする明確なエビデンスが存在する場合には、医薬品承認事項変更申請(sNDAs)を通じて、正式にFDAの承認を申請することができる。米国・ハーバード大学医学部ブリガム&ウィメンズ病院のBo Wang氏らは、小児に対し抗精神病薬を処方するうえで、小児使用に関するsNDAsのFDA決定への影響を評価した。PloS one誌オンライン版2016年3月31日号の報告。 2003~12年の3つの抗精神病薬(オランザピン、クエチアピン、ziprasidone)の新規処方に関して、レトロスペクティブにセグメント時系列解析を行った。FDAは、2009年12月にオランザピンとクエチアピンの小児使用に関するsNDAsを承認したが、ziprasidoneは承認しなかった。 主な結果は以下のとおり。 ・小児使用に関するsNDAsのFDA承認前の数ヵ月間、オランザピンの新規処方は、小児、成人の両方で減少した。 ・FDA承認後、オランザピンの処方率の増加は、小児、成人ともに同様であった(統合失調症および双極性障害:p=0.47、他の適応症:p=0.37)。 ・小児使用に関するsNDAsのFDA承認後、クエチアピンの使用は、小児、成人ともに減少した(p=0.88、p=0.63)。 ・同様に、ziprasidoneの処方は、小児使用に関するsNDAsのFDA非承認後、小児、成人ともに減少した(p=0.61、p=0.79)。 著者らは、「抗精神病薬の小児使用に関するsNDAのFDA決定は、抗精神病薬使用に変化を及ぼさず、非承認の場合には不利に働く」とし、「臨床医と政府機関の専門家のコミュニケーションの改善が求められる」としている。 関連医療ニュース 小児に対する抗精神病薬、心臓への影響は 第2世代抗精神病薬、小児患者の至適治療域を模索 非定型抗精神病薬、小児への適応外使用の現状 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Wang B, et al. PLoS One. 2016;11:e0152195. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 英国の過去20年の新薬導入、公衆衛生への影響を評価/Lancet(2024/12/31) 中等症~重症の潰瘍性大腸炎、グセルクマブは有効かつ安全/Lancet(2024/12/31) おそらく後進国(資源の限られた国)における血友病治療の光となる新たな遺伝子治療(解説:長尾梓氏)(2024/12/31) 糖尿病性腎症、コーヒーによるリスク減は摂取時間が重要(2024/12/31) アルツハイマー病治療の新時代、新規治療薬の承認でどう変わるか(2024/12/31) 高齢者への2価RSVワクチン、入院/救急外来受診リスクを低減(2024/12/31) ARBは脳卒中後のてんかん予防に効果的(2024/12/31) 糖尿病予備群が大動脈弁狭窄症を引き起こす(2024/12/31) スポーツの「観戦」にも有意な健康効果―日本人対象の縦断的研究(2024/12/31) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) Dr.ゴン流ポケットエコー簡単活用術(2014/06/11) 診療よろず相談TV(2013/10/25)