抗精神病薬ナイーブ統合失調症患者におけるプロラクチンレベルは 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/05/18 ドパミンアンタゴニストの抗精神病薬の使用は、高プロラクチン血症と関連しているが、統合失調症および関連障害の抗精神病薬ナイーブ患者においてプロラクチン濃度の上昇がみられる。スペイン・オビエド大学のLeticia Gonzalez-Blanco氏らは、これら疾患の抗精神病薬ナイーブ患者におけるプロラクチンに関する研究のシステマティックレビューおよびメタ解析を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2016年4月5日号の報告。 PubMed(Medline)、PsycInfo、Web of Scienceより、1950年以降の英語文献を検索した。統合失調症または関連障害の抗精神病薬ナイーブ患者および対照群の血中プロラクチンデータと男女それぞれの利用可能なデータを含む男性対象の研究7件(患者群:141例、対照群:191例)、女性対象の研究5件(患者群:67例、対照群:116例)が基準を満たした。データは、著者1名が論文から抽出し、独立した2名により検証を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・平均エフェクトサイズは、男性1.02(95%CI:0.77~1.26、p<0.001)、女性0.43(95%CI:0.11~0.76、p<0.01)であった。 ・年齢、喫煙、BMI、出版年、コルチゾールによるメタ回帰分析は、有意ではなかった。 ・Funnel plotを用いて評価したところ、出版バイアスの存在は示されなかった。 著者らは、「症例数が少なく限られた研究であったが、本メタ解析では、統合失調症および関連障害を有する抗精神病薬ナイーブ患者において、男女共にプロラクチンレベルが有意に上昇していることが示された。長期の高プロラクチン血症は、性機能不全や骨粗鬆症につながる可能性があり、抗精神病薬にはプロラクチン濃度をさらに上昇させるものもある」と結論付けた。抗精神病薬ナイーブ患者に対するドパミンアンタゴニストの抗精神病薬使用にあたっては、プロラクチンレベルに対し、とくに注意が必要であると考えられる。 関連医療ニュース リスペリドン誘発性高プロラクチン血症への補助療法 抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症、乳がんリスクとの関連は プロラクチン上昇リスクの低い第二世代抗精神病薬はどれか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら González-Blanco L, et al. Schizophr Res. 2016 Apr 5. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] ニルマトレルビル・リトナビル、曝露後予防の効果なし/NEJM(2024/07/26) 卵巣がんリスク、卵巣子宮内膜症/深部子宮内膜症では9.7倍/JAMA(2024/07/26) 日本人で増加傾向の口腔がん、その最大要因とはー診療ガイドライン改訂(2024/07/26) HR+/HER2-進行乳がん1次治療、リアルワールドでのパルボシクリブ+フルベストラント/+AIの効果/日本乳癌学会(2024/07/26) 日本の精神科ガイドライン著者におけるCOI分析(2024/07/26) 感謝の気持ちは寿命を延ばす(2024/07/26) ベンゾジアゼピン系薬剤は認知症リスクを上げるか(2024/07/26) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)