治療抵抗性統合失調症、ビタミンDとの関連を検証 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/06/06 低ビタミンDレベルは、統合失調症と関連しているが、ビタミンDレベルと疾患重症度や日光曝露量との関連はほとんどわかっていない。オランダ・High Care ClinicsのJan P A M Bogers氏らは、治療抵抗性の重度統合失調症患者とスタッフにおけるビタミンDレベルを比較し、ビタミンDレベルに対する日光曝露の影響を検討した。Nordic journal of psychiatry誌2016年5月号の報告。 ビタミンDレベルは、治療抵抗性統合失調症患者において4月に測定し、患者とスタッフにおいて6月の非常に晴れた春の日に測定した。4月と6月のビタミンDレベルを患者で比較し、6月のビタミンDレベルを患者とスタッフで比較した。日照の影響を検討するに当たり、患者が日中屋外で過ごした時間とビタミンD合成に推奨される最小時間との比較、および患者とスタッフにおける屋外で過ごした時間の比較を考慮した。 主な結果は以下のとおり。 ・患者は、ビタミンD欠乏症を高率で有し(79~90%)、スタッフと比較しビタミンDレベルが低かった(p<0.001)。皮膚の色素沈着とは独立していた。 ・患者において、皮膚への日光曝露時間は推奨時間よりかなり長く(p<0.001)、またスタッフよりも曝露時間が長いにもかかわらず(p=0.003)、ビタミンDレベルは正常値ではなかった。 結果を踏まえ、著者らは「治療抵抗性統合失調症患者のビタミンD欠乏症は、顕著であり、皮膚の色素沈着の違いや非活動性、病棟での屋内型ライフスタイルでは説明できない。さらに、患者の十分な日光曝露でも、ビタミンDレベルは改善しない」とし、「おそらくビタミンD欠乏症は、健康状態に関与しており、それが統合失調症の病態である。注目すべきは、著しく晴れた春の日光曝露でも、患者のビタミンD欠乏症を改善するには十分でなかった点である。そのため、統合失調症ではビタミンDレベルを測定し、適切に保つことが求められる」とまとめている。 関連医療ニュース 統合失調症発症にビタミンDがどう関与しているのか EPA、DHA、ビタミンDは脳にどのような影響を及ぼすか 治療抵抗性統合失調症へ進展する重要な要因とは:千葉県精神科医療C (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら P A M Bogers J, et al. Nord J Psychiatry. 2016;70:262-266. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] アルドステロン産生腺腫に対する超音波内視鏡下経胃高周波アブレーション/Lancet(2025/02/21) 肥満者の鎮静下内視鏡検査、高流量鼻カニューレ酸素投与で低酸素症が減少/BMJ(2025/02/21) 妊娠糖尿病とメトホルミン―「非劣性試験で有意差なし」の解釈は難しい(解説:住谷哲氏)(2025/02/21) 第22回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2025(2025/02/21) 1日1杯の緑茶が花粉症を抑制か~日本人大規模コホート(2025/02/21) 日本における第2世代抗精神病薬誘発性ジストニア〜JADER分析(2025/02/21) 50代の半数がフレイルに相当!早めの対策が重要/ツムラ(2025/02/21) 飲食店メニューのカロリー表示は摂食障害の患者にとって有害(2025/02/21) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)