てんかん患者の携帯電話使用、発作への影響は 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/06/27 てんかんは、脳内の異常な神経インパルスによる発作が起こる状態である。発作患者における携帯電話の電磁波の影響は知られていない。インド・グントゥール医科大学のSundarachary Nagarjunakonda氏らは、携帯電話使用の有無による患者の発作プロファイルについて比較を行った。Postgraduate medical journal誌オンライン版2016年6月6日号の報告。 2014年9月~2015年9月までにグントゥール医科大学の神経科外来を受診した患者のうち、1年以上発作障害を有していた16~65歳のてんかん患者178例について、レトロスペクティブコホート研究を行った。患者の携帯電話の所持・使用状況に基づき、no mobile群(NMG)、home mobile群(HMG)、personal mobile群(PMG)の3群に振り分けた。発作頻度のデータ、携帯電話使用状況の詳細、抗てんかん薬(AED)治療に関するデータを収集した。 主な結果は以下のとおり。 ・分析には、NMG107例、HMG3例、PMG68例が含まれた。 ・前年の発作数は、3群間で有意な差はなかった。 ・PMGは、NMGと比較し、薬剤抵抗性てんかん患者の割合が有意に低かった(3.7% vs.28.2%)。 ・薬剤反応性てんかん患者は、性別や職業の違いで調整した後、NMGよりもPMGで7.4倍多く見出される傾向があった(95%CI:1.4~39.9、p=0.01)。 ・本結果より、携帯電話を使用しているてんかん患者では、薬剤抵抗性けいれんを有する可能性が低いことが示された。 関連医療ニュース 寛解後、抗てんかん薬はすぐに中止すべきか てんかん重積状態に対するアプローチは てんかん治療におけるベンゾジアゼピンの役割 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Nagarjunakonda S, et al. Postgrad Med J. 2016 Jun 6. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.4(2016/06/07) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.3(2016/05/31) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV シーズンII(2014/07/03)