統合失調症の再入院、剤形の違いで差はあるのか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/08/11 長時間作用型注射用抗精神病薬(LAI)または経口抗精神病薬による治療を受けた統合失調症患者における退院後の再入院率について、米国・Precision Health EconomicsのJoanna P MacEwan氏らは検討を行った。Psychiatric services誌オンライン版2016年7月15日号の報告。 重度な精神疾患により初回入院(2007年10月~2012年9月)し、第1世代または第2世代抗精神病薬を処方された統合失調症患者(18~64歳)の医療費請求を、Truven Health MarketScan Multi-State Medicaid Databaseのデータを基に分析した。統合失調症単独診断患者1,450例、および双極性障害やうつ病を併せて診断された患者を含むすべての統合失調症患者1万5,556例を分析した。初回入院30日後、60日後における全原因による再入院率は、多変量ロジスティック回帰と傾向スコアマッチング(PSM)法を用い評価した。PSMモデルは、LAI群と経口抗精神病薬群で、年齢、LAIまたは短時間作用型注射剤の使用、併存疾患でマッチした。 主な結果は以下のとおり。 ・LAI群では、経口抗精神病薬群と比較し、統合失調症単独診断患者(調整オッズ比:0.60、95%CI:0.41~0.90)および全患者(調整オッズ比:0.70、95%CI:0.52~0.95)において、60日後の再入院率が有意に低かった。 ・全患者におけるLAI群の再入院率の絶対差は、経口抗精神病薬群と比較し、60日後で5.0%有意に低かった。 関連医療ニュース 統合失調症患者の入院、1日の気温差が影響 精神科再入院を減少させるには、雇用獲得がポイント 統合失調症の再入院、救急受診を減らすには (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら MacEwan JP, et al. Psychiatr Serv. 2016 Jul 15. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 統合失調症患者の併存疾患~リアルワールドデータ分析 医療一般(2022/05/13) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 急性脳梗塞、再灌流後のtenecteplase動注は有益か/JAMA(2025/01/23) 妊娠糖尿病、メトホルミン±SU薬vs.インスリン/JAMA(2025/01/23) 透析中の骨粗鬆症患者へのデノスマブは心血管イベントリスクを上げる可能性/京都大(2025/01/23) MASLD患者の転帰、発症リスクに性差(2025/01/23) 25種類の治療抵抗性うつ病治療の有効性比較〜ネットワークメタ解析(2025/01/23) タバコを1本吸うごとに寿命が22分縮む?(2025/01/23) 米アルツハイマー病協会が新たな診療ガイドラインを作成(2025/01/23) [ あわせて読みたい ] エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24) あなたにとって、開業の「成功」「失敗」とは?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第42回(2022/08/09) 「後継者採用」という甘い誘いに乗ったら…【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第41回(2022/07/08) 「診療所、知人に売るから大丈夫」、それ本当に大丈夫??【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第40回(2022/06/06) Dr.金井のCTクイズ 初級編(2022/05/17)