クロザピン誘発性代謝系副作用への有効な介入は 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/08/24 クロザピン治療患者では、代謝系合併症がよく認められる。この問題の管理に関するレビューは、複数の異なる抗精神病薬により治療を受けた患者を対象とした研究において、薬剤をグループ化することにより見出された結果である。英国・ケンブリッジ大学のJorge Zimbron氏らは、クロザピン誘発性の肥満やメタボリックシンドロームに対する薬理学的、非薬理学的治療についてシステマティックレビューとメタ解析を行った。European neuropsychopharmacology誌2016年9月号の報告。 クロザピン誘発性の肥満やメタボリックシンドロームの治療に関する無作為化比較試験(RCT)を、2人の独立した研究者がPubMed、Embaseより検索を行った。すべての異なる薬剤による研究は除外し、クロザピン服用患者が50%以上のRCTは含んだ。 主な結果は以下のとおり。 ・15件のRCTが抽出された。 ・クロザピン誘発性の肥満やメタボリックシンドロームに対する効果的な薬物治療として、メトホルミン、アリピプラゾール、orlistat(男性のみ)が挙げられた。 ・3件のメタ解析研究より、メトホルミンが血糖値、トリグリセリド、HDLに影響することなく、BMI、腹囲を低下させることが示された。 ・クロザピン誘発性肥満に対するカロリー制限や運動などの非薬理学的介入の組み合わせ効果を示す研究は限られていた(ただし入院患者のみにおいて)。 ・他の抗精神病薬で治療された患者において有効性が報告されていたrosiglitazone、topiramate、sibutramine、phenylpropanolamine、モダフィニル、アトモキセチンは、有用であることが示されなかった。 関連医療ニュース クロザピン誘発性好中球減少症、アデニン併用で減少:桶狭間病院 オランザピンの代謝異常、アリピプラゾール切替で改善されるのか 抗精神病薬誘発性の体重増加に関連するオレキシン受容体 治療抵抗性統合失調症は、クロザピンに期待するしかないのか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Zimbron J, et al. Eur Neuropsychopharmacol. 2016;26:1353-1365. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 強迫症状に注意が必要な第二世代抗精神病薬は 医療一般(2014/11/13) クロザピンとアリピプラゾールの併用療法は統合失調症患者の再入院リスクが最も低い 医療一般(2019/03/15) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 貧血を伴う動脈瘤性くも膜下出血の輸血、非制限戦略vs.制限戦略/NEJM(2024/12/24) 日本人双極症外来患者におけるアルコール依存症合併率とその要因〜MUSUBI研究(2024/12/24) 乳がん再発予測、ctDNA検査はいつ実施すべき?示唆を与える結果(ZEST)/SABCS2024(2024/12/24) DOACとスタチンの併用による出血リスク(2024/12/24) 不規則な睡眠習慣は主要心血管イベントリスクを高める(2024/12/24) 超加工食品の大量摂取は活動性乾癬と関連(2024/12/24) GLP-1RAによる肥満治療が食品ロスを増やしている(2024/12/24) 口の中でグミを細かくできないと要介護や死亡のリスクが高い―島根でのコホート研究(2024/12/24) [ あわせて読みたい ] 医療マンガ大賞2021「たった一時間されど一時間」受賞者描き下ろし作品(ささき かずよ氏)(2022/04/18) 「急ぎ」のお宝承継をゲットできる医師は…?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第38回(2022/04/11) Dr.田中和豊の血液検査指南 電解質編(2022/04/10) 医療マンガ大賞2021「命のバトン」受賞者描き下ろし作品(ささき かずよ氏)(2022/03/17) 医業承継における「お宝物件」の探し方【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第37回(2022/03/14) 医療マンガ大賞2021「膵臓がんの母」受賞者描き下ろし作品(フクラアカリガエル氏)(2022/03/02) 転職では「選ぶ側」だったのに…【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第36回(2022/02/28) 医療マンガ大賞2021 言葉にしないと伝わらないこと(医師視点)ささき かずよ氏(2022/02/15) 「仲間は多いほうがいい!?」、それ開業ではNGかも!【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第35回(2022/02/14) 医療マンガ大賞2021 言葉にしないと伝わらないこと(言語聴覚士視点)フクラアカリガエル氏(2022/02/04)