双極性障害青年、ちゃんと薬を飲んでいるか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/08/26 双極性障害(BP)青年の服薬アドヒアランスとそれに関連する要因について、米国・ピッツバーグ大学医療センターのTina R Goldstein氏らは、客観的および主観的手法により調査を行った。Journal of child and adolescent psychopharmacology誌オンライン版2016年7月15日号の報告。 対象は、小児科専門クリニックで初期BPと診断された青年21例。すべての対象者は、1剤以上の向精神薬を処方されていた。自己および親から報告されたアドヒアランスを6ヵ月間毎月評価した。服薬アドヒアランスに関する客観的なデータは、電子ウィークリーピルボックスを用いて収集した。人口統計学的および臨床的要因は、自己、親、医師よりベースライン、3、6ヵ月で評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・客観的データによると、ベースラインから平均3ヵ月にわたり、投与量の41.5%(日数の58.6%)が、処方されたとおりに服薬されていなかった。 ・患者、親、医師より得られた主観的データは、客観的データと比較し、アドヒアランスを有意に過大評価していた。 ・1日用量の多さ、体重増加、服薬タイミング(朝、昼、週末は悪い)、薬剤管理面談から時間が経過している、治療アドヒアランスの自己評価でより大きな認知困難といった複数の理由における要因は、低いアドヒアランスと関連していた。服薬不良のもっとも強力な予測因子は、全体的な疾患重症度であった。 著者らは「調査結果より、BP青年の服薬アドヒアランスは悪く、主観的な報告では限界があることが示された。BP青年の治療中に、治療反応に関する決定や投与レジメを変更する際には、アドヒアランス状況に細心の注意を払う必要がある」としている。 関連医療ニュース 双極性障害の治療アドヒアランスを改善するには 小児・思春期の双極性障害に対する非定型抗精神病薬vs気分安定薬 双極性障害ラピッドサイクラーの特徴は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Goldstein TR, et al. J Child Adolesc Psychopharmacol. 2016 Jul 15. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 双極性障害患者のラピッドサイクラーと寛解に関連する臨床的特徴 医療一般 日本発エビデンス(2020/10/30) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 冠動脈疾患へのPCI、FFRガイド下vs.IVUSガイド下/Lancet(2025/04/18) 症候性発作性AFのアブレーション、パルスフィールドvs.クライオバルーン/NEJM(2025/04/18) iPS細胞移植、パーキンソン病患者の脳内でドパミン産生を確認/京大(2025/04/18) カピバセルチブ使用時の高血糖・糖尿病ケトアシドーシス発現についての注意喚起/日本糖尿病学会(2025/04/18) 非専門医による診療機会を考慮、成人先天性心疾患診療ガイドライン改訂/日本循環器学会(2025/04/18) 通院費増で遺伝子変異に関連した治験への参加率が低下、制度拡充が必要/国立がん研究センター(2025/04/18) 双極症における片頭痛と関連する臨床的特徴(2025/04/18) 臓器の生物学的老化の加速は疾患リスクに影響する(2025/04/18) [ あわせて読みたい ] クローズアップ!精神神経 7疾患(2021/01/26) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24)