未治療進行非小細胞肺がんの標準的な1次化学療法への抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)の追加が、奏効率(ORR)および無増悪生存期間(PFS)を有意に改善したことが、コペンハーゲンで開催されたESMO 2016会議で報告された。
第II相試験 KEYNOTE-021は、ステージIIIB / IVの未治療の非扁平上皮非小細胞肺がん患者123例をカルボプラチン(AUC5)・ペメトレキセド(500mg/m2)3週ごと4サイクル併用群とカルボプラチン・ペメトレキセド併用+ペムブロリズマブ(200mg)3週ごと24ヵ月追加群に無作為に割り付け行われた。
10.6ヵ月(中央値)後のORRは、ペムブロリズマブ追加群で有意に高かった(ペムブロリズマブ追加群:55%、化学療法群:29%、p=0.0016)。腫瘍PD-L1発現量による結果は示されなかったものの、研究者らはペムブロリズマブ追加群ではPD-L1発現量50%以上の腫瘍で奏効率が高かった(80%程度)ことを明らかにした。
PFSはペムブロリズマブ追加群で優れていたが(ペムブロリズマブ追加群:13.0ヵ月、化学療法群:8.9ヵ月)、生存率(OS)は両群で同等(6ヵ月生存率 92%)であった。Grade3以上の有害事象の発生率はペムブロリズマブ追加群で高かった(ペムブロリズマブ追加群:39%、化学療法群:26%)。しかし、それらの有害事象は治療中止率(ペムブロリズマブ追加群10%、化学療法群13%)および治療関連死には影響を及ぼさなかった。ペムブロリズマブ追加群でよく見られた有害事象は、疲労感や吐気、化学療法群では貧血であった。
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(ケアネット 細田 雅之)