パルボシクリブ、乳がんに国内承認申請:ファイザー

提供元:ケアネット

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公開日:2016/11/11

 

 ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:梅田一郎)は2016年10月31日、「手術不能又は再発乳癌」の効能・効果で、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害薬パルボシクリブの国内における製造販売承認を申請した。

 パルボシクリブは、世界初の経口CDK4/6阻害薬であり、米国食品医薬品局(FDA)により、2013年4月にブレークスルー・セラピー(画期的治療薬)の指定を受け、2015年2月に迅速承認されている。現在の米国における適応症は、「HR+/HER2-閉経後進行または転移乳がんに対する初回内分泌療法(レトロゾールとの併用)」、「内分泌療法により疾患が進行したHR+/HER2-進行または転移乳がん(閉経の有無を問わない)に対する治療(フルベストラントとの併用)」。

 日本も参加した2つの国際共同第III相試験(PALOMA-2、 PALOMA-3)、および海外/国内第II相試験の結果を取りまとめ、今回の申請に至った。

 PALOMA-2試験は、ER+HER-の閉経後進行乳がん666例を対象に、初回内分泌療法としてパルボシクリブとレトロゾール併用を検討したもの。プラセボ・レトロゾール併用投与群と比較して、パルボシクリブ・レトロゾール併用投与群で有意な無増悪生存期間(PFS)の延長が認められた。PFS中央値はパルボシクリブ・レトロゾール併用投与群24.8ヵ月、プラセボ・レトロゾール併用投与群14.5ヵ月であった。 PALOMA-3試験は、内分泌療法を受け疾患進行を認めたHR+/HER2-進行乳がん(閉経の有無を問わない)521例を対象に、パルボシクリブとフルベストラント併用を検討したもの。プラセボ・フルベストラント併用投与群と比較して、パルボシクリブ・フルベストラント併用投与群において有意な無増悪生存期間(PFS)の延長が認められ、中間解析の結果、試験は有効中止となった。PFS中央値はパルボシクリブ・フルベストラント併用投与群9.2ヵ月、プラセボ・フルベストラント併用投与群で3.8ヵ月であった。

ファイザー株式会社のプレスリリースはこちら

(ケアネット 細田 雅之)