うつ病患者のベンゾジアゼピン使用、ミルタザピン使用で減少:千葉大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/11/11 千葉大学の橋本 佐氏らは、うつ病エピソードの第1選択薬としてSSRIの代わりにミルタザピンを選択することで、うつ病患者のベンゾジアゼピン使用を低下させることが可能かを評価した。また、臨床的反応と血清成熟型脳由来神経栄養因子(BDNF)、前駆体proBDNFの関係を同時に調査した。Annals of general psychiatry誌2016年10月19日号の報告。 日常的な精神科診療の設定でオープンラベル無作為化比較試験を行った。うつ病外来患者77例を対象に、ランダムにミルタザピン群またはSSRI(セルトラリンまたはパロキセチン)群に割り付けた。主要アウトカムは、6、12、24週目におけるベンゾジアゼピン使用率の群間比較とした。治療反応は、ベースラインからのハミルトンうつ病評価尺度(HDRS)50%以上減少と定義した。ベースライン、6、12、24週目に血液サンプルを収集した。 主な結果は以下のとおり。 ・処方開始日よりベンゾジアゼピンが処方された65例の主要アウトカムを分析した。 ・ベンゾジアゼピン使用者は、6、12、24週目において、ミルタザピン群においてSSRI群よりも有意に低かった(6週目:21.4vs.81.8%、p<0.001、12週目:11.1vs.85.7%、p<0.001、24週目:12.5vs.81.8%、p=0.0011)。 ・HDRSスコアの変化においては、群間差は認められなかった。 ・血清proBDNFレベルは有意に減少した(χ2=8.5、df=3、p=0.036)。血清成熟型BDNFレベルは、両群の治療反応者において24週目に、一時的に有意に減少した(F=3.5、df=2.4、p=0.027)。 ・本研究では、うつ病エピソードに対する第1選択薬としてのミルタザピンの使用は、うつ病患者のベンゾジアゼピン使用を減少させることが実証された。 関連医療ニュース 抗うつ薬治療患者に対するベンゾジアゼピン投与の安全性は:藤田保健衛生大 不適切なベンゾジアゼピン処方、どうやって検出する メラトニン使用でベンゾジアゼピンを簡単に中止できるのか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Hashimoto T, et al. Ann Gen Psychiatry. 2016;15:27. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 抗うつ薬とベンゾジアゼピン併用療法に関連する死亡リスク 医療一般(2021/01/08) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 脳出血既往AFに対する脳梗塞予防、DOACは有用か?/Lancet(2025/03/07) GLP-1受容体作動薬、自殺リスクと関連せず/BMJ(2025/03/07) 活動性ループス腎炎に対する新しいタイプの抗CD20抗体の治療効果(解説:浦信行氏)(2025/03/07) 抗PD-L1抗体薬、GLP-1薬などに重大な副作用追加/厚労省(2025/03/07) 新規作用機序の潰瘍性大腸炎治療薬オザニモド、その特徴は?/BMS(2025/03/07) 治療抵抗性強迫症に対するSSRI+ブレクスピプラゾールの有用性(2025/03/07) 硬膜外ステロイド注射は慢性腰痛に効果あり?(2025/03/07) 日本人の4人に1人がコロナ陰謀論を信じている!?(2025/03/07) [ あわせて読みたい ] クローズアップ!精神神経 7疾患(2021/01/26) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24)