セリチニブALK陽性肺がんのPFS延長:ESMO 2016 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/11/17 クリゾチニブ(商品名:ザーコリ)治療歴のあるALK変異陽性非小細胞肺がん(非小細胞肺がん以下、NSCLC)患者において、ALK阻害薬セリチニブ(商品名:ジカディア)が化学療法に比べ無増悪生存期間(PFS)を延長した。ASCEND-5試験の結果として欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2016)で発表された。 ASCEND-5試験は非盲検無作為化試験。クリゾチニブ治療歴のある患者231例が、セリチニブ群または化学療法群(ペメトレキセドあるいはドセタキセル)に1:1に割り付けられた。病勢進行(PD)により化学療法が中止となった患者は、セリチニブへのクロスオーバーが許可された。 結果、PFS中央値はセリチニブ群で化学療法群に比べ有意に改善された(5.4ヵ月 vs.1.6ヵ月、p<0.001)。客観的奏効率(ORR)も、セリチニブ群で化学療法群に比べ高かった(39.1% vs.6.9%)。また、PDとなり化学療法が中止となった患者のうち、75例がセリチニブにクロスオーバーした。 セリチニブ投与患者の有害事象は第I、II相試験と同様であった。頻度が高かったGrade3/4の有害事象は悪心(7.8%)、嘔吐 (7.8%)、下痢(4.3%)であった。化学療法では好中球減少(15.0%)、疲労感(4.4%)、悪心(1.8%)であった。また、セリチニブ群では肺がん特異的症状および全般的健康状態などの患者報告アウトカムを有意に改善した(p<0.05)。 ※患者背景:年齢中央値 54歳、治療期間(セリチニブ群 30.3週、化学療法群 6.3週)、追跡期間中央値 16.5ヵ月 (ケアネット 細田 雅之) 参考ESMO:プレスリリース ASCEND-5試験(ClinicalTrials.gov) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 複雑CAD併存の重症AS、FFRガイド下PCI+TAVI vs.SAVR+CABG/Lancet(2024/12/20) 慢性心血管系薬のアドヒアランス不良、リマインドメッセージでは改善せず/JAMA(2024/12/20) “Real-world”での高齢者に対するRSVワクチンの効果(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)(2024/12/20) 切除不能肝細胞がん、アテゾ+ベバがTACEの代替となる可能性/ESMO Asia2024(2024/12/20) EGFR陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法のアジア人データ(FLAURA2)/ESMO Asia2024(2024/12/20) 進行・再発子宮体がんの新たな治療選択肢/AZ(2024/12/20) 導入療法後に病勢進行のないHR+/HER2+転移乳がん1次治療、パルボシクリブ追加でPFS改善(PATINA)/SABCS2024(2024/12/20) 統合失調症発症後20年間における抗精神病薬使用の変化(2024/12/20) SGLT2阻害薬はがん発症を減らすか~日本の大規模疫学データ(2024/12/20) [ あわせて読みたい ] Dr.長尾の胸部X線ルネッサンス (2016/11/07) イワケンの「極論で語る感染症内科」講義 (2016/08/07) 総合内科専門医試験対策 アップデート問題はココが出る!2016 (2016/07/29) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.1(2016/05/12) 化療スタンダードレジメン(2014/01/07) Dr.たけしの本当にスゴい症候診断2(2016/02/07) Dr.香坂のすぐ行動できる心電図 ECG for the Action! (2015/10/07) Dr.たけしの本当にスゴい症候診断(2015/07/07) Dr.小川のアグレッシブ腹部エコー 肝臓編(2015/05/08)