以前の研究から、心疾患罹患率および心不全の増悪が冬に増加し、ホリデーシーズンごろがピークとなることが示唆されている。また、スポーツイベントでのすさまじい対決は、ファンの心血管アウトカムに影響を与えることが示されている。米国Lehigh Valley Hospital NetworkのMahek Shah氏らが、心不全での入院率と祝祭日との関連を検討したところ、祝祭日のうちクリスマスと独立記念日は、祝祭日直後の心不全入院が増加した一方、祝祭日当日は入院率が低かったことがわかった。この結果の理由について著者らは、祝祭日における過食、関連する感情的なストレス、運動の少なさ、祝祭日後の診療の遅れを挙げている。Clinical research in cardiology誌2016年10月号に掲載。
調査対象は、2003年1月1日~2013年12月31日にアインシュタイン医療センターに入院した、すべてのうっ血性心不全患者(1次診断でうっ血性心不全を示すICD-9CMコードが付いていた患者)である。著者らは、心不全での入院率について、5つの特定の祝祭日(クリスマス、元旦、独立記念日[7月]、感謝祭[11月]、スーパーボウルサンデー[2月])について、祝祭日当日、祝祭日後4日間、その月の残りの日の3群で比較した。
主な結果は以下のとおり。
・心不全による入院は2万2,727例、1日当たり平均5.65例で、年齢は68±15歳であった。
・その月の残りの日に対して、独立記念日(5.65 vs.5、p=0.027)とクリスマス(6.5 vs.5.5、p=0.046)後の4日間で、1日当たりの心不全入院が有意に増加した。なお、過度の飲酒やアルコール依存歴は、この4日間の心不全入院増加と相関しなかった。
・すべての祝祭日で、当日における1日平均入院患者数は、当日後4日間に比べて有意に少なかった。
・スーパーボウルサンデーを除くすべての祝祭日は、その月の残りの日と比べ、当日の入院率が低かった。
(ケアネット 金沢 浩子)