認知症への抗精神病薬処方減少へ、ポイントは看護師 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/12/12 認知症患者に対する抗精神病薬の処方決定は医師により行われるが、その主導権は看護師や看護助手が握っていることが多い。そのため、抗精神病薬の使用を減少させるためには、看護師や看護助手の要求理由を理解する必要がある。オランダ・トウェンテ大学のSarah I M Janus氏らは、態度、考え、行動制御が要求の意図に影響を与えると考えられる計画的行動理論に基づいて、この要求に対する影響要因の概要を示し、処方を要求する行動に影響を及ぼすかを検討した。International psychogeriatrics誌オンライン版2016年11月21日号の報告。 オランダの養護老人ホーム組織より、看護師および看護助手81人からオンライン調査を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・看護師や看護助手は、居住者およびスタッフに対し、抗精神病薬がもたらす良い効果に関する項目について頻繁に合意していた。 ・仕事の満足度が低い看護師や看護助手は、抗精神病薬を必要とする可能性が高かった。 ・抗精神病薬の治療効果や使用によりコントロールされていると感じることについて肯定的な考えを有する場合、コールする意向と正の関連が認められた。 ・すべての変数は、意向の分散(variance)の59%であった。 ・現在の職種と、実際の行動と関連していた。 ・因子寄与(explained variance)は25%であった。 著者らは「政策立案者は、利用可能なエビデンスに沿っていない居住者に対する抗精神病薬の肯定的な効果に対し、看護師および介護助手の考えに焦点を当てるべきであり、抗精神病薬の有効性は限定的であることを教育する必要がある」としている。 関連医療ニュース 認知症者に対する抗精神病薬処方は地域差が大きい 警告後、認知症への抗精神病薬処方は減少したのか 認知症者への抗精神病薬投与の現状は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Janus SI, et al. Int Psychogeriatr. 2016 Nov 21. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] 総合内科専門医試験対策 “苦手”科目をクイック復習 2016 (2016/07/29) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.4(2016/06/07) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.3(2016/05/31) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV シーズンII(2014/07/03) 診療よろず相談TV(2013/10/25)