アリピプラゾールの至適用量、1週目の血漿中濃度で予測可能:琉球大

提供元:ケアネット

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公開日:2016/12/14

 

 急性増悪期の統合失調症患者に対し、アリピプラゾールで良好な治療反応を得るための血清トラフ濃度は、アリピプラゾールおよびその活性代謝物であるデヒドロアリピプラゾールを合わせて225ng/mLであると言われている。琉球大学の永井 五洋氏らは、アリピプラゾールの至適用量を1週目の血漿中濃度から予測できるかどうかを調査した。Therapeutic drug monitoring誌オンライン版2016年11月16日号の報告。

 対象は、アリピプラゾール1日1回3週間投与した統合失調症入院患者26例。アリピプラゾールの投与量は、1週目12mg、2週目24mgとした。ビペリデン、フルニトラゼパム以外の薬剤は投与しなかった。投与開始後、1および3週目に血液サンプルを採取した。アリピプラゾールおよびデヒドロアリピプラゾールの血漿中濃度は、液体クロマトグラフィー質量分析法を用いて測定した。

 主な結果は以下のとおり。

・アリピプラゾールとデヒドロアリピプラゾールの血漿中濃度は、1(x)および3週目(y)において有意な直線関係を示した(p<0.001)。
・回帰式は、y=2.580x+34.86であった(R=0.698)。
・この数式に基づき、アリピプラゾールの至適用量を推定するためのモノグラムを構成することができた。

 著者らは「統合失調症患者に対するアリピプラゾールの至適用量は、投与開始1週間後のアリピプラゾールとデヒドロアリピプラゾールの血漿中濃度から予測できることが示唆された」としている。

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(鷹野 敦夫)