統合失調症患者の代謝プロファイル変化を分析:国立精神・神経医療研究センター 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/12/19 国立精神・神経医療研究センターの藤井 崇氏らは、統合失調症患者の病態生理を反映している可能性のある脳における低分子量代謝産物のプロファイル変化について検討を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2016年11月15日号の報告。 Stanley Foundation Neuropathology Consortiumより、前頭前皮質(統合失調症患者15例、対照群15例)と海馬(統合失調症患者14例、対照群15例)のヒト死後脳組織を収集した。飛行時間型質量分析計によるキャピラリー電気泳動を用いて、約300種類の代謝産物を分析した。 主な結果は以下のとおり。 ・前頭前皮質では、29の代謝物の平均レベルが、統合失調症患者および対照群で有意に異なっていた。 ・海馬では、ジペプチドとグリシルグリシンが、統合失調症患者において有意に増加した(p≦0.001、nominal p-value)。 ・グリシルグリシンは、統合失調症患者の前頭前皮質においても有意に増加していた(p=0.007)。 ・経路分析では、KEGGの「癌における中枢炭素代謝」「タンパク質消化および吸収」を含むいくつかの代謝経路において、統合失調症患者の前頭前皮質、海馬に対し影響を及ぼすことが明らかとなった。 著者らは「本検討により、統合失調症患者の脳におけるグルコース代謝、タンパク質分解の変化が示唆された」としている。 関連医療ニュース 日本人統合失調症、外来と入院でメタボ率が高いのは:新潟大 脳内脂肪酸と精神症状との関連を検証:富山大 統合失調症患者を発症前に特定できるか:国立精神・神経医療研究センター (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Fujii T, et al. Schizophr Res. 2016 Nov 15. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 複雑CAD併存の重症AS、FFRガイド下PCI+TAVI vs.SAVR+CABG/Lancet(2024/12/20) 慢性心血管系薬のアドヒアランス不良、リマインドメッセージでは改善せず/JAMA(2024/12/20) “Real-world”での高齢者に対するRSVワクチンの効果(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)(2024/12/20) 切除不能肝細胞がん、アテゾ+ベバがTACEの代替となる可能性/ESMO Asia2024(2024/12/20) EGFR陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法のアジア人データ(FLAURA2)/ESMO Asia2024(2024/12/20) 進行・再発子宮体がんの新たな治療選択肢/AZ(2024/12/20) 導入療法後に病勢進行のないHR+/HER2+転移乳がん1次治療、パルボシクリブ追加でPFS改善(PATINA)/SABCS2024(2024/12/20) 統合失調症発症後20年間における抗精神病薬使用の変化(2024/12/20) SGLT2阻害薬はがん発症を減らすか~日本の大規模疫学データ(2024/12/20) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)