認知症患者のQOLは介護従事者による緩和ケアの理解で向上する可能性:都医学研 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/12/26 認知症緩和ケア(palliative care)には、ファーストライン治療として心理社会的介入が含まれる。しかし、日本における認知症計画は、認知症緩和ケアによる推奨に反している。東京都医学総合研究所の中西 三春氏らは、日本のコミュニティケア環境における認知症患者のケアの質と認知症緩和ケアに対するprofessional caregiver(仕事として対価を得る介護提供者全般)の視点との関連性を検討した。International journal of geriatric psychiatry誌オンライン版2016年11月17日号の報告。 東京都内の329機関(居宅介護支援事業所:217件、小規模多機能型居宅介護:29件、グループホーム:83件)よりprofessional caregiver 2,116名から、2016年5月までに認知症と診断された3,603例についての横断的な紙ベースアンケートを実施した。介護の質に関する項目は、身体拘束、抗精神病薬の使用、QOLとした。認知症患者のQOLは、日本語版Alzheimer's Disease-Health Related Quality of Lifeを用いて評価した。認知症の緩和ケアに関するprofessional caregiverの知識と姿勢は、認知症緩和ケアに関するアンケート日本語版を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・認知症の緩和ケアに関するprofessional caregiverの知識と姿勢は、認知症患者のQOLと正の関連を示した。 ・professional caregiverの知識と姿勢にかかわらず、身体拘束、抗精神病薬の使用は行われていた。 ・認知症の緩和ケアに関するprofessional caregiverの視点は、認知症患者のQOLに好影響を及ぼす可能性がある。 【訂正のお知らせ】 本文タイトルおよび内容の一部に誤りがあったため、訂正いたしました(2017年1月10日)。 関連医療ニュース 認知症への抗精神病薬処方減少へ、ポイントは看護師 アルツハイマー介護負担、日本と台湾での比較:熊本大学 認知症と介護、望まれる生活環境は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Nakanishi M, et al. Int J Geriatr Psychiatry. 2016 Nov 17. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 60歳以上へのRSVワクチン、承認後初のシーズンの有効性/Lancet(2024/11/01) 異常降雨が全死亡リスクと関連、心血管・呼吸器疾患死亡も/BMJ(2024/11/01) 糖尿病、脳卒中合併高血圧でも積極的降圧が有効―とはいうが、COVID-19ロックダウン下の中国で大規模臨床試験を強行したことに驚き(解説:桑島巌氏)(2024/11/01) 薬物乱用頭痛に対する薬物療法の比較〜ネットワークメタ解析(2024/11/01) 骨髄線維症に10年ぶりの新薬、貧血改善が特徴/GSK(2024/11/01) お茶やベリー類など、フラボノイド摂取が認知症リスクを低下(2024/11/01) 重症の新型コロナ感染者の心臓リスクは心疾患既往者のリスクと同程度(2024/11/01) 救急外来でのChatGPTの活用は時期尚早(2024/11/01) 幸福感が脳卒中や心筋梗塞からあなたを守る(2024/11/01) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【神経内科編】(2016/12/07) 総合内科専門医試験対策 “苦手”科目をクイック復習 2016 (2016/07/29) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.4(2016/06/07) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.3(2016/05/31) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV シーズンII(2014/07/03)