透析にコエンザイムQ10、どう関係する?

酸化ストレスは、末期腎疾患患者の心血管リスク増大に関連している。酸化ストレスを軽減する治療は、透析患者の心血管イベント発生を改善する可能性がある。そこでコエンザイムQ 10(CoQ10)が維持血液透析下の患者の酸化ストレスを抑制するかが検討された。American Journal of Kidney Diseases誌オンライン版2016年12月4日号掲載の報告。
<試験デザイン>
プラセボ対照、3アーム、二重盲検、無作為化、臨床試験
<方法>
試験対象は週に3回の維持血液透析を受けている患者65例。
対象者を、CoQ101日1回600mg投与群、1,200mg投与群、プラセボ群に無作為かつ均等に割り付けた。
ベースラインおよび1、2、4ヵ月目に、F2-イソプロスタンおよびイソフランを酸化ストレスの血漿マーカーとして、N末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチドおよびトロポニンTを心臓バイオマーカーとして測定した。
主要評価項目は、血漿中F2-イソプロスタン濃度として定義された、血漿中の酸化ストレスとした。
副次評価項目は、血漿イソフラン、心臓バイオマーカーのレベル、透析前の血圧および安全性/忍容性とした。
主な結果は以下のとおり。
・4ヵ月時点のCoQ101,200mg投与群では、プラセボ群と比較して、血漿中F2-イソプロスタン濃度が有意に低下した(調整平均変化は、1,200mg投与群:-10.7[95%信頼区間、-7.1~-14.3]pg/mL[p<0.001]、プラセボ群:-8.3[95%信頼区間、-5.5~-11.0]pg/mL[p=0.1])。
・血漿イソフラン、心臓バイオマーカー、透析前の血圧においては、CoQ10治療の有意な効果は認められなかった。
・治療に関連した重大な有害事象は発生しなかった。
維持血液透析下の患者において、CoQ101,200mgを毎日摂取することで酸化ストレスのマーカーである血漿中F2-イソプロスタン濃度の減少が認められた。また安全性も認められた。
今回の試験では無作為化グループ間のベースライン特性の差異があるため、小さな治療効果は検出しなかった。そのため、今後はCoQ10の摂取により臨床的アウトカムが改善されるか検討がなされるべきである。
(ケアネット 常盤 真央)
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