魚を食べると認知症は予防できるのか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/01/16 ここ20年の研究では、魚類およびDHAなどのn-3脂肪酸が高齢者のアルツハイマー病を含む認知機能低下を抑制することが示唆されている。スウェーデン・ウプサラ大学のTommy Cederholm氏は、2015~16年の研究結果をレビューした。Current opinion in clinical nutrition and metabolic care誌オンライン版2016年12月12日号の報告。 主な結果は以下のとおり。 ・1件のプロスペクティブコホート研究より、高齢者ケア施設入居者の脳解剖では、海産物の摂取と神経性プラークおよび神経原線維変化との関連が認められた。 ・5年間の大規模介入研究より、n-3脂肪酸補充患者または対照患者において、認知機能への影響は認められなかった。 ・コミュニティ患者を対象とした2件のメタアナリシスより、高魚類摂取は、認知機能を保持することが認められた。 ・記憶愁訴の高齢者は、n-3脂肪酸の補充により、記憶課題に関する皮質血流を改善する可能性がある。 ・アルツハイマー病患者のレポートからの再計算では、血清n-3脂肪酸の増加と認知機能改善には用量反応性が示唆された。 ・しかし、コクランレビュー(3件の無作為化対照試験)では、n-3脂肪酸は、軽度/中等度アルツハイマー病患者において任意の6ヵ月間でメリットがないと結論付けた。 著者らは「魚類やDHAの摂取は、記憶愁訴やMCI高齢者において予防的メリットを有する可能性があり、軽度/中等度アルツハイマー病患者のサブグループにおいても、このようなメリットがあると考えられる」とし、「より一層の研究が必要である」としている。 関連医療ニュース 日本食は認知症予防によい:東北大 魚を食べるほどうつ病予防に効果的、は本当か EPA、DHA、ビタミンDは脳にどのような影響を及ぼすか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Cederholm T. Curr Opin Clin Nutr Metab Care. 2016 Dec 12. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 コクランレビューが導き出したマスク着用効果 医療一般(2023/02/15) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] アルドステロン産生腺腫に対する超音波内視鏡下経胃高周波アブレーション/Lancet(2025/02/21) 肥満者の鎮静下内視鏡検査、高流量鼻カニューレ酸素投与で低酸素症が減少/BMJ(2025/02/21) 妊娠糖尿病とメトホルミン―「非劣性試験で有意差なし」の解釈は難しい(解説:住谷哲氏)(2025/02/21) 第22回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2025(2025/02/21) 1日1杯の緑茶が花粉症を抑制か~日本人大規模コホート(2025/02/21) 日本における第2世代抗精神病薬誘発性ジストニア〜JADER分析(2025/02/21) 50代の半数がフレイルに相当!早めの対策が重要/ツムラ(2025/02/21) 飲食店メニューのカロリー表示は摂食障害の患者にとって有害(2025/02/21) [ あわせて読みたい ] Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24) あなたにとって、開業の「成功」「失敗」とは?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第42回(2022/08/09)