アルツハイマー病、他のコリンエステラーゼ阻害薬への切り替え効果はどの程度:岡山大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/02/02 アルツハイマー病に対し、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ChEI)から他のChEIへの切り替えによる治療効果はあるのかを、岡山大学の太田 康之氏らが評価した。Geriatrics & gerontology international誌オンライン版2017年1月6日号の報告。 ChEIの切り替えを行ったアルツハイマー病患者171例をレトロスペクティブに登録した。認知症の主要な3要素(認知、感情、ADL活動)について、切り替え6ヵ月前、切り替え時(ベースライン)、切り替え3、6ヵ月後に評価を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・切り替え6ヵ月後の3種のChEIの用量は、切り替え前と比較し、有意に低かった。 ・ドネペジルからガランタミンへ切り替えた場合、3ヵ月後に感情鈍麻の改善が認められたが、リバスチグミンでは認められなかった。また、切り替え後はADLに悪影響を及ぼした。 ・ガランタミンからリバスチグミンへ切り替えた場合、3ヵ月後に認知スコアの改善が認められたが、ドネペジルでは認められなかった。 ・これらの切り替えは、ADLを除く阿部式BPSDスコア(Abe's Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia scores)を改善した。 ・リバスチグミンからドネペジルへ切り替えた場合、6ヵ月後の阿部式BPSDスコアは悪化したが、認知機能およびADLは維持された。 著者らは「切り替え後のChEIは、用量が比較的少ないにもかかわらず、ドネペジルまたはリバスチグミンからの切り替えで6ヵ月以上、認知機能が維持された。ガランタミンからリバスチグミンへ切り替えた場合には、3ヵ月後のミニメンタルステート検査、阿部式BPSDスコアは改善したが、ADLスコアは改善しなかった」としている。 関連医療ニュース 抗認知症薬は何ヵ月効果が持続するか:国内長期大規模研究 コリンエステラーゼ阻害薬の副作用、全世界の報告を分析 抗認知症薬4剤のメタ解析結果:AChE阻害薬は、重症認知症に対し有用か? (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Ohta Y, et al. Geriatr Gerontol Int. 2017 Jan 6. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【神経内科編】(2016/12/07) 総合内科専門医試験対策 “苦手”科目をクイック復習 2016 (2016/07/29) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.4(2016/06/07) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.3(2016/05/31) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV シーズンII(2014/07/03)