いくつかの研究によると、男女間でうつ病に関連した異なる症状が報告されているが、この関連を分析したシステマティックレビューやメタアナリシスはパブリッシュされていない。オーストラリア・Illawarra Health & Medical Research InstituteのAnna Cavanagh氏らは、うつ病に関連する症状の性差のエビデンスをレビューした。Harvard review of psychiatry誌2017年1・2月号の報告。
PubMed、Cochrane、PsycINFOのデータベースとリファレンスリストを調べた。32研究が基準を満たした。単極性うつ病の臨床サンプルおよびコミュニティサンプル10万8,260人を含んだ。32研究のすべてにおいて質を評価し、出版バイアスについて検討した。性差の影響を評価するため、32研究より抽出された26症状についてメタ解析を行った。
主な結果は以下のとおり。
・本研究では、少数で重要な性別といくつかの症状との関連が示された。
・うつ病男性は、女性と比較し、アルコールや薬物乱用(Hedges's g:0.26、95%CI:0.11~0.42)、リスクテイキング、脆弱な衝動性コントロール(g:0.58、95%CI:0.47~0.69)と関連していた。
・うつ病女性は、抑うつ気分のようなうつ病の診断基準に含まれる症状(g:-0.20、95%CI:-0.33~-0.08)、摂食障害や体重変化(g:-0.20、95%CI:-0.28~-0.11)、睡眠障害(g:-0.11、95%CI:-0.19~-0.03)と関連していた。
著者らは「本結果は、物質使用と気分障害の有病率における性差に関する既存の研究結果と一致する。男性のうつ病を評価する際には、物質乱用、リスクテイキング、脆弱な衝動性コントロールをスクリーニングすることの有用性が強調される。うつ病と併存症状に関する性差を明らかにするためにも、今後の研究が必要とされる」としている。
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