双極性障害に対する抗うつ薬使用の現状は

提供元:ケアネット

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公開日:2017/02/10

 

 エビデンスに基づく臨床実践ガイドラインにおける双極性障害I型II型のための薬物療法は、双極性障害治療のために利用可能である。スウェーデン・サールグレンスカ大学病院のCharlotte Persson氏らは、本ガイドラインがスウェーデンの臨床現場でどの程度利用されているかを調査した。Lakartidningen誌オンライン版2017年1月10日号の報告。

 双極性障害のための国際品質のレジスタ(BipolaR)を用いて、2015年の双極性障害患者に対する薬物療法を分析した。そして、双極性障害I型(BD I)とII型(BD II)とを比較した。

 主な結果は以下のとおり。

・大部分の患者に対し、単剤療法または一部併用療法で気分安定薬が処方されていた(BD I:87%、BD II83%、p<0.001)。
・リチウムはBD I(BD I:65%、BD II:40%、p<0.001)、ラモトリギンはBD II(BD I:18%、BD II:42%、p<0.001)に対して、もっとも一般的な気分安定薬として処方されていた。
・抗うつ薬は、BD IにおいてBD IIよりも使用されていなかった(BD I:35%、BD II:53%、p<0.001)。
・抗精神病薬(第1または第2世代)は、BD IにおいてBD IIよりも頻繁に使用されていた(BD I:49%、BD II:35%、p<0.001)。
・中枢神経刺激薬は、あまり使用されていなかった(BD I:3.1%、BD II:6.6%、p<0.001)。
・気分安定薬と抗精神病薬の併用は、BD IにおいてBD IIよりも多かった(BD I:27%、BD II:12%、p<0.001)のに対し、気分安定薬と抗うつ薬の併用は、BD IにおいてBD IIよりも少なかった(BD I:16%、BD II:28%、p<0.001)。

 著者らは「ほとんどの双極性障害患者に対し気分安定薬が使用されており、BD IとBD IIの違いは臨床症状の違いと合理性があると結論付けられる。また、長年議論されている双極性障害に対する抗うつ薬の使用は、非常に高かった」としている。

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(鷹野 敦夫)