初発統合失調症、陰性症状の経過と予測因子 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/03/09 初回エピソード統合失調症(first-episode schizophrenia:FES)の2年以上のフォローアップにおける陰性症状の経過とその安定性、フォローアップ後の陰性症状の重症度を予測する因子について、スペイン・Hospital Clinic de BarcelonaのGisela Mezquida氏らが検討を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2017年2月6日号の報告。 本検討は、2年間のプロスペクティブフォローアップ研究。対象患者は、FES患者268例(DSM-IV診断)。3回以上の診察で陰性症状の変化についてフォローアップを完了した患者を分散分析により評価した。2年間のフォローアップにおける陰性症状との相関および潜在的な予測因子の検討には、回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・陰性症状は、FES1年間後のフォローアップでは重症ではなく、2年まで安定しており、時間に対する有意な効果が認められた(Time1>Time2>Time3、F(2,151)=20.45、p<0.001)。 ・発症前の調整の不十分さ(p=0.01)、ベースライン時の高い陰性症状(p<0.001)は、FES2年後の陰性症状の重症度の変化に有意に寄与した(R2=0.21、p<0.001)。 著者らは「本検討より、FES1年後に陰性症状の軽減が認められた。この変化は、2年間安定していた。統合失調症の経過において初期段階で陰性症状が存在し、発症前の調整が不十分だと、中間アウトカムでより重度な陰性症状を予測する」としている。 関連医療ニュース 統合失調症に対する増強療法、評価が定まっている薬剤はこれだけ 抗精神病薬のスイッチング、一括置換 vs.漸減漸増:慶應義塾大 統合失調症の陰性症状に対し、抗うつ薬の有用性は示されるのか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Mezquida G, et al. Schizophr Res. 2017 Feb 6. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 陰性症状に対する最新レビュー、有効性が確認されている治療は 医療一般(2017/08/30) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 現金給付による死亡率低下、そのメカニズムとは/Lancet(2025/12/03) 1日1杯のコーヒーは心房細動を予防する?(解説:名郷直樹氏)(2025/12/03) 気象関連疼痛に期待される食事性フラボノイドの有用性(2025/12/03) 血圧コントロールに地域差、降圧目標達成が高い/低い都道府県は?/東北医科薬科大ほか(2025/12/03) 注射で脳まで届く微小チップが脳障害治療の新たな希望に(2025/12/03) 断続的断食は成人の認知機能に影響しない(2025/12/03) ココアやベリー類は座位行動による血管への悪影響を抑える?(2025/12/03) ピロリ菌が重いつわりを長引かせる可能性、妊婦を対象とした研究から示唆(2025/12/03) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)