ノバルティスは2017年2月23日、米国食品医薬品局(FDA)が、ALK陽性の転移性非小細胞肺がん(NSCLC)の患者に対する1次治療薬として、セリチニブ(商品名:ジカディア)の医薬品承認事項変更申請(sNDA)を受理したと発表した。 FDAはまた、脳転移を伴うALK陽性の転移性NSCLC患者のセリチニブをブレークスルーセラピーに指定した。
セリチニブの1次治療に対するこのsNDA提出は、ASCEND-4試験の初回解析の結果に基づいている。ASCEND-4は、ステージIIIBまたはIVのALK陽性進行NSCLC成人患者の1次治療における、セリチニブの安全性および有効性を標準化学療法と比較した国際第III相無作為化オープンラベル多施設臨床試験。被験者は、セリチニブ群(750mg /日)と化学療法群(ペメトレキセド500mg/m2+シスプラチン75mg/m2またはカルボプラチンAUC 5~6を4サイクル後ペメトレキセド維持療法)に無作為に割り付けられた。
無増悪生存期間(PFS)中央値は、セリチニブ治療群の16.6ヵ月(95%CI:12.6~27.2)に対し、化学療法群では8.1ヵ月(95%CI:5.8~11.1)で、化学療法群と比較してセリチニブ群で45%のPFSリスク減少が得られた(HR:0.55、95%CI:0.42~0.73、片側p<0.001)。
スクリーニング時に脳転移のない患者のPFS中央値は、セリチニブ群26.3ヵ月(95%CI:15.4~27.7)、化学療法群では8.3ヵ月(95%CI:6.0~13.7)であった(HR:0.48、95%CI:0.33~0.69)。脳転移を伴う患者では、セリチニブ群10.7ヵ月(95%CI:8.1~16.4)、化学療法では6.7ヵ月(95%CI:4.1~10.6)であった(HR:0.70、95%CI:0.44~1.12)。頭蓋内における全体奏効率(ORR)72.7%(95%CI:49.8~89.3)は、全身ORRの72.5%(95.5%CI:65.5~78.7)と一貫した結果であった。
セリチニブ群の25%以上で発生する一般的な有害事象(AE)は、下痢、悪心、嘔吐、食欲低下、ALT上昇、AST上昇、γ-グルタミルトランスフェラーゼ上昇、アルカリフォスファターゼ上昇、疲労であった。
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(ケアネット 細田 雅之)