日本人心房細動患者における左心耳血栓、有病率と薬剤比較:医科歯科大

提供元:ケアネット

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公開日:2017/04/12

 

 心房細動(AF)は、一般的な心臓不整脈であり、血栓塞栓性事象を含む心血管罹患率および死亡率の増加と関連している。東京医科歯科大学の川端 美穂子氏らは、抗凝固療法中に前処置経食道心エコー(TEE)を受けている日本人非弁膜症性心房細動(NVAF)患者における左心耳(LAA)血栓の有病率を評価し、ワルファリンと直接経口抗凝固薬(DOAC)の有効性の比較を行った。Circulation journal誌オンライン版2017年2月7日号の報告。

 抗凝固療法を3週間以上行ったのち、前処置TEEを受けたNVAF患者559例(男性:445例、年齢:62±11歳)をレトロスペクティブに検討した。

 主な結果は以下のとおり。

・非発作性のAFは、275例(49%)で認められた。
・LAA血栓は、15例(2.7%)で認められた。
・LAA血栓の有病率は、DOAC群(2.6%)とワルファリン群(2.8%)で同様であった(p=0.86)。
・CHA2DS2-VAScスコア0、脳卒中歴のない発作性AF、一過性虚血発作では、LAA血栓を有する患者はいなかった。
・単変量解析では、LAA血栓と関連していた項目は、非発作性AF、心構造疾患、抗血小板療法、左心房の大きさ、高BNP、LAA流量の減少、CHA2DS2-VAScスコアの高さであった。
・多変量解析では、BNP173pg/mL以上のみがLAA血栓の独立した予測因子であった。

 著者らは「経口抗凝固療法を継続しているにもかかわらず、LAA血栓は、日本人NVAF患者の2.7%に認められた。血栓の発生率は、DOAC群、ワルファリン群で同様であった」としている。

(鷹野 敦夫)