うつ病の診断年齢を分析、とくに注意が必要なのは

提供元:ケアネット

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公開日:2017/04/19

 

 年齢、性別によるうつ病の診断および抗うつ薬の使用動向について、デンマーク・コペンハーゲン大学のCharlotte Wessel Skovlund氏らが分析を行った。Nordic journal of psychiatry誌オンライン版2017年3月31日号の報告。

 2000~13年、デンマーク在住の10~49歳のすべての男女を含む全国コホート研究。精神医学および処方箋レジストリより、うつ病診断および抗うつ薬に関するデータを抽出した。発症率および1年間の有病率を算出した。

主な結果は以下のとおり。

・うつ病診断の発症率および1年間の有病率は、2000年から2013年にかけて増加していた。
・男女比は、1年間のうつ病診断の有病率および抗うつ薬使用の両方について、女性が男性の2.0倍であった。
・若年(adolescent)女性における増加絶対値は、うつ病診断で1,000人当たり3人、抗うつ薬使用で1,000人当たり8人であった。若年男性では、各々、1,000人当たり1.1人、3人の増加であった。
・思春期(puberty)前の男女において、同期間中のうつ病診断および抗うつ薬使用の割合は、同程度であった。
・思春期後では、女性は男性よりも発症率が有意に高く、研究期間中に男性よりも急激に増加していた。
・うつ病診断の男女比を年齢別にみると、女性は、10~11歳の0.8から12~19歳の2.7へ増加し、以降45~49歳の1.5まで、年齢の増加とともに減少した。

 著者らは「2000~13年におけるうつ病診断および抗うつ薬の初回使用は、12~19歳の女性において男性よりも多かった。思春期前の発症率は男女間で同様であったが、思春期以降は女性で高くなっていた」としている。

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(鷹野 敦夫)