産後うつ病になりやすい女性の特徴:高知大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/05/08 出産年齢の女性において、主要な障害の1つである産後うつ病。産後うつ病リスクのある女性を特定することは、そのマネジメントを改善する可能性がある。高知大学のSifa Marie Joelle Muchanga氏らは、産後うつ病といくつかの先天性婦人科疾患罹患率との関連を調査した。Journal of affective disorders誌オンライン版2017年3月30日号の報告。 全国出生コホート研究であるthe Japan Environment and Children's Study(JECS)のデータより、出産後1ヵ月までのデータを分析した。産後うつ病を評価するためエジンバラ産後うつ病自己評価票(EPDS)を用い、11の先天性婦人科疾患罹患率を危険因子として考慮した。共変量には、精神疾患の既往、心理社会的因子、妊娠の有害アウトカム、出生アウトカム、患者背景、健康行動因子を含んだ。 主な結果は以下のとおり。 ・過去の流産、平滑筋肉種および多嚢胞性卵巣症候群の有病を除き、うつ病女性は、非うつ病女性と比較し、より多くの婦人科疾患罹患率を有していた。 ・ロジスティック回帰分析では、子宮内膜症(OR:1.27、95%CI:1.15~1.41)、月経困難(OR:1.13、95%CI:1.06~1.21)、不正子宮出血(OR:1.21、95%CI:1.15~1.29)が産後うつ病と関連していた。 著者らは「子宮内膜症や月経問題を有する女性では、産後うつ病を発症するリスクがあった。この結果より、素因のある女性に対する周産期メンタルヘルススクリーニングの必要性が示唆された」としている。 関連医療ニュース 産後うつ病への抗うつ薬治療、その課題は うつ病の診断年齢を分析、とくに注意が必要なのは 父親の産後うつ病、日本での有病率は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Muchanga SM, et al. J Affect Disord. 2017 Mar 30. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 「EPDS(エディンバラ産後うつ病自己調査票)」の日本語版iPadアプリがリリース 医療一般(2012/06/27) 分娩様式と産後うつ病との関連~JECS研究 医療一般 日本発エビデンス(2021/09/20) 母親の産後うつ病と子供のADHDとの関係~メタ解析 医療一般(2022/10/21) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 60歳以上へのRSVワクチン、承認後初のシーズンの有効性/Lancet(2024/11/01) 異常降雨が全死亡リスクと関連、心血管・呼吸器疾患死亡も/BMJ(2024/11/01) 糖尿病、脳卒中合併高血圧でも積極的降圧が有効―とはいうが、COVID-19ロックダウン下の中国で大規模臨床試験を強行したことに驚き(解説:桑島巌氏)(2024/11/01) 薬物乱用頭痛に対する薬物療法の比較〜ネットワークメタ解析(2024/11/01) 骨髄線維症に10年ぶりの新薬、貧血改善が特徴/GSK(2024/11/01) お茶やベリー類など、フラボノイド摂取が認知症リスクを低下(2024/11/01) 重症の新型コロナ感染者の心臓リスクは心疾患既往者のリスクと同程度(2024/11/01) 救急外来でのChatGPTの活用は時期尚早(2024/11/01) 幸福感が脳卒中や心筋梗塞からあなたを守る(2024/11/01) [ あわせて読みたい ] トレンド・トーク『肺がん』(2024/06/11) Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) 災害対策まとめページ(2024/02/05) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17)