認知症予防に柑橘類は効果的か:東北大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/06/08 いくつかの実験的な生物学的研究では、柑橘類が認知症予防効果を有していることが報告されている。東北大学のShu Zhang氏らは、柑橘類摂取と認知症との関連をコホート研究で調査した。The British journal of nutrition誌オンライン版2017年5月19日号の報告。 ベースライン調査では、日常の柑橘類摂取(2回以下/週、3~4回/週、ほぼ毎日)および他の食品の摂取に関するデータはFFQを用いて収集し、他の共変量データは自己報告アンケートより収集した。認知症発症に関するデータは、日本の介護保険データベースより収集した。柑橘類の摂取に応じた認知症のハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)は、多変量調整Coxモデルを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・1万3,373例における5.7年間の認知症発症率は、8.6%であった。 ・認知症発症の多変量調整HRは、柑橘類を2回以下/週摂取した群と比較して、3~4回/週群で0.92(95%CI:0.80~1.07、p trend=0.065)、ほぼ毎日群で0.86(95%CI:0.73~1.01、p trend=0.065)であった。 ・フォローアップの最初の2年間で認知症を発症した患者を除いた後でも、この逆相関関係は維持された。 ・多変量HRは、柑橘類の摂取が2回以下/週を1.00(参照値)とした場合、3~4回/週で0.82(95%CI:0.69~0.98、p trend=0.006)、ほぼ毎日で0.77(95%CI:0.64~0.93、p trend=0.006)であった。 著者らは「交絡因子で調整後においても、柑橘類の摂取が頻繁であれば、認知症発症リスクが低いことが示唆された」としている。 ■関連記事 魚を食べると認知症は予防できるのか 認知症予防、毎日の野菜・果物摂取が大切 「歯は大切に」認知症発症にも影響:久山町研究 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Zhang S, et al. Br J Nutr. 2017 May 19. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 日本人高齢者における野菜・果物の摂取と認知症リスク~久山町研究 医療一般 日本発エビデンス(2022/05/12) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 複雑CAD併存の重症AS、FFRガイド下PCI+TAVI vs.SAVR+CABG/Lancet(2024/12/20) 慢性心血管系薬のアドヒアランス不良、リマインドメッセージでは改善せず/JAMA(2024/12/20) “Real-world”での高齢者に対するRSVワクチンの効果(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)(2024/12/20) 切除不能肝細胞がん、アテゾ+ベバがTACEの代替となる可能性/ESMO Asia2024(2024/12/20) EGFR陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法のアジア人データ(FLAURA2)/ESMO Asia2024(2024/12/20) 進行・再発子宮体がんの新たな治療選択肢/AZ(2024/12/20) 導入療法後に病勢進行のないHR+/HER2+転移乳がん1次治療、パルボシクリブ追加でPFS改善(PATINA)/SABCS2024(2024/12/20) 統合失調症発症後20年間における抗精神病薬使用の変化(2024/12/20) SGLT2阻害薬はがん発症を減らすか~日本の大規模疫学データ(2024/12/20) [ あわせて読みたい ] エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24) あなたにとって、開業の「成功」「失敗」とは?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第42回(2022/08/09) 「後継者採用」という甘い誘いに乗ったら…【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第41回(2022/07/08) 「診療所、知人に売るから大丈夫」、それ本当に大丈夫??【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第40回(2022/06/06) Dr.金井のCTクイズ 初級編(2022/05/17)