ALK陽性肺がん1次治療におけるアレクチニブの成績発表:ALEX試験/ASCO2017 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/06/20 ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の標準的1次治療は第1世代のALK‐TKIであり、優れた成績をあげている。しかし、時間経過とともにPDとなる患者も存在する。また、中枢神経系(CNS)転移は再発時に多く発現し、治療困難で、しばしば臨床上の問題となる。 アレクチニブは、強力な活性とCNSへの良好な移行性を有する次世代ALK-TKIであり、第1世代ALK‐TKIクリゾチニブ治療耐性症例において非常に優れた成績を示している。また、当患者集団の1次治療においては、アレクチニブ(300mg×2/日)とクリゾチニブを初めて直接比較した本邦のJ-ALEX試験で、アレクチニブ群が主要評価項目であるPFSを有意に改善している(HR:0.34、p<0.0001)。本年の米国臨床腫瘍学会年次大会(ASCO2017)では、進行ALK陽性NSCLCの1次治療におけるアレクチニブとクリゾチニブを直接比較した、グローバル第III相試験ALEX試験の結果を、米国Massachusetts General HospitalのAlice Shaw氏が報告した。 この多施設オープンラベル無作為化第III相試験の対象患者は、無症候性のCNS転移症例を含む未治療の進行ALK陽性NSCLC。登録された患者は無作為に、アレクチニブ600mg×2/日またはクリゾチニブ250mg×2/日に1:1で割り付けられた。主要評価項目は治験担当医評価(INV)による無増悪生存期間(PFS)。副次評価項目は、独立評価委員会(IRC)によるPFS、CNS無増悪期間(CNS TTP)、客観的奏効率(ORR)、全生存期間(OS)、奏効期間、安全性などであった。 結果、2017年2月9日のデータカットオフ時に303例が登録された(アレクチニブ152例、クリゾチニブ151例)。追跡期間はアレクチニブ群18.6ヵ月、クリゾチニブ群17.6ヵ月であった。患者の半数以上(アレクチニブ群55%、クリゾチニブ群54%)は非アジア人で、約60%が非喫煙者、また約40%がベースライン時にCNS転移を有していた。 主要評価項目であるINVによるPFSは、アレクチニブ群で未達(17.7~NE)、クリゾチニブ群では11.1ヵ月(9.1~13.1)と、アレクチニブ群で有意に延長した(HR:0.47、95%CI:0.34~0.65、p<0.0001)。副次評価項目であるIRCによるPFSは、アレクチニブ群で25.7ヵ月(19.9~NE)、クリゾチニブ群は10.4ヵ月(7.7~14.6)で、こちらもアレクチニブ群に有意であった(HR:0.50、95%CI:0.36~0.70、p<0.0001)。 CNS転移例におけるPFSはアレクチニブ群では未達、クリゾチニブ群では7.4ヵ月であった(HR:0.40、95%CI:0.25~0.64)。CNS TTP(中央値は両群とも未達)は、競合リスクモデルを用いた生存時間解析において、アレクチニブ群で有意に延長した(cause specific HR:0.16、95%CI:0.10~0.28、p<0.0001)。 ORRは、アレクチニブ群83%(76~89)、クリゾチニブ群76%(68~82)で、アレクチニブ群が長かったが、統計学的に有意ではなかった(p=0.09)。OSは両群とも未達であった(HR:0.76、95%CI:0.48~1.20、p=0.24)。 Grade3~5の有害事象(AE)は、アレクチニブ群の41%、クリゾチニブ群の50%で発現した。致死的AEの発現率はアレクチニブ群で3%、クリゾチニブ群では5%であった。AEの発現項目は両群共新たなものはなかった。 Shaw氏は、このALEX試験の結果は、ALK陽性NSCLCの1次治療の新たな標準としてのアレクチニブの位置付けを確立した、と述べて本題を締めくくった。 ■参考 ASCO2017 Abstract ALEX試験(ClinicalTrials.gov) ■関連記事 ALK阻害薬による1次治療の直接比較J-ALEX試験の結果/Lancet アレクチニブ、ALK肺がん1次治療に海外でも良好な結果:ALEX 試験 (ケアネット 細田 雅之) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] GLP-1受容体作動薬、物質使用障害の予防や治療に有効か/BMJ(2026/03/13) 最新の人工股関節、30年後も92%が再置換術不要/Lancet(2026/03/13) nalbuphine:IPFに伴う慢性咳嗽に対する新しいアプローチ(解説:田中希宇人氏/山口佳寿博氏)(2026/03/13) 末梢動脈疾患(PAD)の症状改善にメトホルミンは無効(解説:小川大輔氏)(2026/03/13) PHSは過去のもの?それとも現役?/医師1,000人アンケート(2026/03/13) 胃がん術後の早期経口摂取、ガイドライン記載も実施は2割/日本胃癌学会(2026/03/13) 日本における妊娠および授乳中のブレクスピプラゾール投与、その安全性を評価(2026/03/13) 脳外傷後の迅速な神経リハがアルツハイマー病のリスクを抑制する(2026/03/13) エクソーム解析で家族性高コレステロール血症の遺伝子変異保有者を特定可能(2026/03/13) 身体活動習慣を維持することが中年期の累積ストレスの少なさと関連(2026/03/13) [ あわせて読みたい ] Dr.宮本のママもナットク!小児科コモンプラクティス (2017/04/07) Dr.たけしの本当にスゴい症候診断3 (2017/04/07) Dr.香坂のアカデミック・パスポート 「文献の引き方」から「論文の書き方」まで (2017/03/07) Dr.長尾の胸部X線ルネッサンス (2016/11/07) イワケンの「極論で語る感染症内科」講義 (2016/08/07) 総合内科専門医試験対策 アップデート問題はココが出る!2016 (2016/07/29) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.1(2016/05/12) 化療スタンダードレジメン(2014/01/07)