双極性障害患者の自殺、治療パターンを分析 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/07/04 カナダ・Sunnybrook Health Sciences CentreのAyal Schaffer氏らは、双極性障害(BD)患者の服薬自殺の特性を他の自殺者と比較し、評価を行った。International journal of bipolar disorders誌2017年12月号の報告。 1998~2012年までのカナダ・トロントにおける、全自殺死亡者3,319例から検死データを抽出した。人口統計、既往歴、直近のストレス要因、自殺の詳細部分について、5つのサブグループで分析した。自殺のサブグループは、BDの服薬自殺、BDの他の方法による自殺、非BDの服薬自殺、非BDの他の方法による自殺、単極性うつ病の服薬自殺とした。BDと非BDの服薬自殺の間ならびにBDと単極性うつ病の服薬自殺の間において、致死的および当時の物質使用に対する毒物学的結果を比較した。 主な結果は以下のとおり。 ・BD自殺死亡者における服薬自殺は、性別(女性)、過去の自殺企図、薬物乱用の併存と、有意に関連していた。 ・BDおよび非BDの服薬自殺両群において、オピオイドが最も共通した致死的薬物であった。 ・BDおよび非BDの服薬自殺両群において、ベンゾジアゼピンおよび抗うつ薬が死亡時に最も共通していた薬剤であり、BD群の23%では、気分安定薬または抗精神病薬なしで抗うつ薬が用いられていた。 ・BD群において、気分安定薬を用いていた患者は31%のみであり、カルバマゼピンが最も用いられていた。 ・抗うつ薬、気分安定薬、抗精神病薬を用いていなかった患者は、BD群の15.5%であった。 ・BDの服薬自殺群は、単極性うつ病の服薬自殺群と比較し、前の週に精神科またはERを受診していた割合が高かった。 ■関連記事 双極性障害の診断遅延は避けられないのか 双極性障害、リチウムは最良の選択か 双極性障害に対する抗けいれん薬の使用は、自殺リスク要因か (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Schaffer A, et al. Int J Bipolar Disord. 2017;5:16. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] アルドステロン産生腺腫に対する超音波内視鏡下経胃高周波アブレーション/Lancet(2025/02/21) 肥満者の鎮静下内視鏡検査、高流量鼻カニューレ酸素投与で低酸素症が減少/BMJ(2025/02/21) 妊娠糖尿病とメトホルミン―「非劣性試験で有意差なし」の解釈は難しい(解説:住谷哲氏)(2025/02/21) 第22回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2025(2025/02/21) 1日1杯の緑茶が花粉症を抑制か~日本人大規模コホート(2025/02/21) 日本における第2世代抗精神病薬誘発性ジストニア〜JADER分析(2025/02/21) 50代の半数がフレイルに相当!早めの対策が重要/ツムラ(2025/02/21) 飲食店メニューのカロリー表示は摂食障害の患者にとって有害(2025/02/21) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)