統合失調症患者の雇用獲得に必要なこと 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/07/06 一般と比較すると、統合失調症患者の失業率は、全年齢層において高くなっている。これまでの研究では、統合失調症患者の失業や作業不良に対し、神経認知機能に焦点が当てられてきた。しかし、最近のいくつかの研究では、雇用困難を理解するうえで、認知機能障害と同等以上に臨床症状が重要であることが示唆されている。米国・David Geffen School of MedicineのKatiah Llerena氏らは、統合失調症患者の就職や仕事の成果を妨げる陰性症状への理解を深めることは、雇用を向上させる治療法の開発に不可欠であるとし、検討を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2017年6月7日号の報告。 対象は、雇用支援サービスを受けている統合失調症または統合失調感情障害患者112例。就労の有無に基づき、経験的および表現的な陰性症状が異なるかを判断した。さらに、労働者のサブセットにおいて、経験的「動機づけ」の陰性症状と労働成果との関連を調査した。神経認知機能は、MATRICS コンセンサス認知機能評価バッテリーを用いて評価し、臨床症状は、陰性症状評価尺度およびBPRSを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・表現的でない、経験的な陰性症状は、就職、就業時間、賃金と関連していた。 ・これらの結果は、年齢で調整した後に減弱し、有意な差は認められなかった。 著者らは「これらの結果は、雇用支援サービスを受けている統合失調症患者の雇用結果をより理解するうえで、経験的な陰性症状が重要であることを示唆している。他者との関わり、環境的、プログラム的要因との重要性を解くためには、さらなる研究が必要である」としている。 ■関連記事 統合失調症へのメマンチン追加療法のメタ解析:藤田保健衛生大 精神科再入院を減少させるには、雇用獲得がポイント 抗精神病薬の副作用、医師にどれだけ伝えられているか:藤田保健衛生大 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Llerena K, et al. Schizophr Res. 2017 Jun 7. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] MI後のスピロノラクトンの日常的使用は有益か?/NEJM(2024/11/29) チルゼパチドのHFpEFを有する肥満患者への有効性/NEJM(2024/11/29) 今、肺静脈隔離にシャム試験?(解説:高月誠司氏)(2024/11/29) 患者はどう考えている?前立腺がんの治療選択/AZ(2024/11/29) 高齢者が健康長寿でいられるBMIは22.5~23.5/早大ほか(2024/11/29) セマグルチド2.4mg、MASHで有意な改善示す(ESSENCE)/ノボ ノルディスク(2024/11/29) 鼻腔ぬぐい液検査でCOVID-19の重症度を予測できる?(2024/11/29) コロナ禍を経て高知県民の飲酒行動が変わった?(2024/11/29) 双極症I型に対するアリピプラゾール月1回投与〜52週間ランダム化試験の事後分析(2024/11/29) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)