PD-L1高発現NSCLCの初回治療はペムブロリズマブ?KEYNOTE-024のPFS2データ/ASCO2017 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/07/12 PD-L1高発現(TPS50%以上)SageIV非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、ペムブロリズマブ単剤と化学療法を比較したKEYNOTE-024試験。初回解析で、無増悪生存期間(PFS)のハザードレシオ(HR)は0.50(p<0.001)、全生存期間(OS)のHRは0.60(p=0.005)と、ペムブロリズマブの優越性が示された。ASCO2017では、その後の追跡によるPFS2と、アップデートされたOSについて、米国The Sidney Kimmel Comprehensive Cancer CenterのJulie Brahmer氏が発表した。 PFS2の定義は、無作為化から2次治療のPD、または死亡、いずれかが最初に生じるまでの期間とした。なお、初回治療が化学療法の患者はPD後のペムブロリズマブへのクロスオーバーが許容された。追跡期間の中央値は19.1ヵ月であった(データカットオフ2017年1月5日)。 結果、1次治療の中断は、ペムブロリズマブ群では154例中107例、化学療法群では151例中120例であった。中断後に2次治療に移行した患者は、ペムブロリズマブ群で48例(31.2%)、化学療法群では97例(64.2%)と、ペムブロリズマブ群で少なかった。ペムブロリズマブ群の後治療の内訳をみると、プラチナダブレットが48例中42例と多くを占め、なかでもカルボプラチン+ペメトレキセド±ベバシズマブが最多であった。化学療法群の後治療は、ペムブロリズマブへのクロスオーバーが97例中79例、クロスオーバー外での抗PD-1療法が97例中12例(うちペムブロリズマブが3例)を占めた。 PFS2は、ペムブロリズマブ群で18.3ヵ月(12.7~NE)、化学療法群で8.4ヵ月(6.8~9.8)と、ペムブロリズマブ群で有意に長かった(HR:0.54、95%CI:0.40~0.72、p<0.001)。アップデートOSは、ペムブロリズマブ群では未達(19.4~NE)、化学療法群では14.5ヵ月(9.8~19.6)と、ペムブロリズマブ群で有意に改善した(HR:0.63、95%CI:0.46~0.88、p=0.003)。化学療法からの高いクロスオーバー率にもかかわらず、ペムブロリズマブ群が一貫した優越性を維持した。PD-L1高発現NSCLCにおける初回治療は、ペムブロリズマブから行うことで、化学療法に比べ生命予後の改善がみられた。 ■参考 ASCO2017Abstract KEYNOTE-024試験(Clinical Trials.gov) ■関連記事 ペムブロリズマブ単剤で肺がん1次治療に有効/NEJM ペムブロリズマブ、非小細胞肺がん(PD-L1高発現)1次治療に承認:FDA ペムブロリズマブ、肺がん1次治療でQOLを改善 肺がん特集 (ケアネット 細田 雅之) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 NSCLC1次治療におけるペムブロリズマブ単独治療の追跡結果(KEYNOTE-024)/JCO 医療一般(2019/01/24) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 複雑CAD併存の重症AS、FFRガイド下PCI+TAVI vs.SAVR+CABG/Lancet(2024/12/20) 慢性心血管系薬のアドヒアランス不良、リマインドメッセージでは改善せず/JAMA(2024/12/20) “Real-world”での高齢者に対するRSVワクチンの効果(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)(2024/12/20) 切除不能肝細胞がん、アテゾ+ベバがTACEの代替となる可能性/ESMO Asia2024(2024/12/20) EGFR陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法のアジア人データ(FLAURA2)/ESMO Asia2024(2024/12/20) 進行・再発子宮体がんの新たな治療選択肢/AZ(2024/12/20) 導入療法後に病勢進行のないHR+/HER2+転移乳がん1次治療、パルボシクリブ追加でPFS改善(PATINA)/SABCS2024(2024/12/20) 統合失調症発症後20年間における抗精神病薬使用の変化(2024/12/20) SGLT2阻害薬はがん発症を減らすか~日本の大規模疫学データ(2024/12/20) [ あわせて読みたい ] Dr.皿谷の肺音聴取道場(2020/05/10) 新型コロナ治療薬の有力候補、「siRNA」への期待(2020/03/26) Dr.岡の感染症プラチナレクチャー 医療関連感染症編(2020/02/10) Dr.林の笑劇的救急問答14<下巻>(2019/08/07) Dr.林の笑劇的救急問答14<上巻>(2019/03/15) 志水太郎の診断戦略ケーススタディ(2019/02/15)