抗精神病薬併用でQTc延長リスクは高まるか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/08/01 抗精神病薬は、多形性心室頻拍に関連しており、最悪の場合、心臓突然死につながる可能性がある。心拍数で補正したQT間隔(QTc)は、トルサードドポアントの臨床プロキシとして使用される。QTc間隔は、抗精神病薬単独療法で延長するが、併用療法でさらに延長するかはよくわかっていない。デンマーク・オーフス大学のAnja Elliott氏らは、統合失調症におけるQTc間隔と抗精神病薬単独療法および併用療法との関連を検討し、患者のQTc延長頻度を測定した。CNS spectrums誌オンライン版2017年6月29日号の報告。 デンマーク・中央ユラン地域の外来施設に通院中の統合失調症患者を対象に、観察コホート研究を行った。対象患者は2013年1月~2015年6月に登録され、フォローアップは2015年6月まで行われた。データは、臨床インタビュー、診療記録より収集した。 主な結果は以下のとおり。 ・心電図を実施した患者65例のうち、QTc延長は6%であった。 ・抗精神病薬未治療、単独療法、併用療法のサンプルにおいて、平均QTc間隔に差は認められなかった(p=0.29)。 ・しかし、女性においては、単独療法よりも併用療法においてQTc間隔の延長が認められた(p=0.01)。 著者らは「サンプルサイズが小さいものの、本研究の結果から、抗精神病薬併用療法を行っている統合失調症女性患者では、QTc間隔のモニタリングに重点を置くことが推奨される」としている。 ■関連記事 抗精神病薬のQT延長リスク、アリピプラゾールはどうか 第二世代抗精神病薬、QT延長に及ぼす影響:新潟大学 うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Elliott A, et al. CNS Spectr. 2017 Jun 29. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)