日本人妊婦のうつ病診断、適切なカットオフ値はいくつか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/08/25 妊娠中のうつ病は、母親と子供の両方に悪影響を及ぼす。出産前のうつ病は、出産後のうつ病の予測因子であるため、早期発見は出産後うつ病の予防につながる可能性がある。エジンバラ産後うつ病尺度(EPDS)は、周産期によく用いられるが、妊娠中のカットオフ値については、日本人で確認されていない。国立精神・神経医療研究センターの臼田 謙太郎氏らは、日本における妊娠中期のEPDSカットオフ値を最適化するため検討を行った。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2017年8月2日号の報告。 妊娠12~24週目の20歳以上の妊婦を募集し、そのうちEPDS 9点以上の妊婦に研究への参加を依頼した。EPDSと同時に、うつ病エピソードの診断のために精神疾患簡易構造化面接法(日本語版)を行った。ROC曲線、感度および特異度、EPDSの陽性、陰性反応の予測値を算出した。 主な結果は以下のとおり。 ・参加者210例は、妊娠12週の1例を除き、すべて第2三半期であった。 ・20例がうつ病エピソードと診断された。 ・カットオフスコアを13点に設定した場合、ROC曲線下面積0.956、感度90.0%、特異度79.0%、EPDS陽性反応予測値54.5%、EPDS陰性反応予測値98.9%であった。 著者らは、「われわれの知る限り、本研究は日本において、妊娠第2三半期での最適なEPDSカットオフ値を明らかにするための、最初の研究である。本知見は、日本における出産前うつ病の適切なスクリーニングに役立つであろう」としている。 ■関連記事 妊娠中のSSRI使用、妊婦や胎児への影響は 母親の体格がADHD、自閉症リスクと関連か 妊娠中、血中濃度変化に注意が必要な抗精神病薬は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Usuda K, et al. Psychiatry Clin Neurosci. 2017 Aug 2. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 「EPDS(エディンバラ産後うつ病自己調査票)」の日本語版iPadアプリがリリース 医療一般(2012/06/27) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 敗血症性ショック、強化学習モデルのバソプレシン投与で死亡率低下/JAMA(2025/04/01) 各連携機関から見た造血幹細胞移植の現状と展望/日本造血・免疫細胞療法学会(2025/04/01) EGFR陽性NSCLC、アミバンタマブ+ラゼルチニブがOS改善(MARIPOSA)/ELCC2025(2025/04/01) 治療抵抗性うつ病に対する新たな治療薬、今後の展望は(2025/04/01) BMIを改善すると心房細動リスクが低減か(2025/04/01) 中強度〜高強度の身体活動は脳の健康に有益(2025/04/01) 自己免疫疾患に対する心身症の誤診は患者に長期的な悪影響を及ぼす(2025/04/01) レム睡眠潜時の増長がアルツハイマー病のマーカーとなる可能性(2025/04/01) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 化療スタンダードレジメン(2014/01/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 産婦人科医ユミの頼られる「女性のミカタ」 (2014/10/08) 化療スタンダードレジメン:卵巣がん(2014/06/17) 化療スタンダードレジメン:卵巣がん(2014/06/03) 診療よろず相談TV(2013/10/25)