境界性パーソナリティ障害発症、親子関係が影響 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/08/28 境界性パーソナリティ障害(BPD)の病因に関する最新の仮説では、親子関係が中心的な要因であると考えられている。カナダ・モントリオール大学のMarie-Eve Boucher氏らは、BPDと親子関係についてシステマティックレビューを行った。Personality and mental health誌オンライン版2017年8月2日号の報告。 本システマティックレビューでは、(1)BPD患者およびその家族と他の規範的および臨床的グループとの親子関係の違い(2)親子関係のどの側面が成人期のBPD診断ととくに関連しているか(3)レビューされた研究より同定された親子関係要因がBPDの一般病理モデルをどのように解明可能か、について検討した。40の研究は、BPD患者視点、その両親の視点、家族視点の3つのカテゴリに分類された。 主な結果は以下のとおり。 ・BPD患者では、正常対照者と比較し、一貫して親子関係の障害がより多く報告された。 ・DSM-IV第1軸(Axis-I)および第2軸(Axis-II)を呈する患者との比較では、一貫性がより少なかった。 ・BPD患者は、その両親と比較し、親子関係をよりネガティブに評価していた。 ・両親の不十分なケアや過度なケアは、正常対照者と異なり、BPDおよび他の精神疾患に共通する精神病理学の一般的なリスク因子であると考えられる。 著者らは「BPDにおける特定の親子関係リスク因子候補には、矛盾点があるようにも見えるが、その特異性を確認するためには、さらなる研究が必要である」としている。 ■関連記事 境界性パーソナリティ障害、性行為とアルコールの関係 境界性パーソナリティ障害の自殺リスク、ポイントは睡眠の改善か 境界性パーソナリティ障害、予防のポイントは (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Boucher ME, et al. Personal Ment Health. 2017 Aug 2. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 境界性パーソナリティ障害でみられる幻覚の正体は 医療一般(2014/08/08) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 急性脳梗塞、再灌流後のtenecteplase動注は有益か/JAMA(2025/01/23) 妊娠糖尿病、メトホルミン±SU薬vs.インスリン/JAMA(2025/01/23) 透析中の骨粗鬆症患者へのデノスマブは心血管イベントリスクを上げる可能性/京都大(2025/01/23) MASLD患者の転帰、発症リスクに性差(2025/01/23) 25種類の治療抵抗性うつ病治療の有効性比較〜ネットワークメタ解析(2025/01/23) タバコを1本吸うごとに寿命が22分縮む?(2025/01/23) 米アルツハイマー病協会が新たな診療ガイドラインを作成(2025/01/23) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)