米国・ミネソタ大学のPamela L. Lutsey氏らは、中年後期の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)や短時間、長時間睡眠が認知症リスクと関連しているかを、15年以上のフォローアップ期間で検討した。Alzheimer's & dementia誌オンライン版2017年7月21日号の報告。
Atherosclerosis Risk in Communities研究に参加した1,667例を対象に、在宅終夜睡眠ポリグラフィー検査(1996~98年)を実施し、認知症発症のフォローアップを行った。認知症は、入院診断コード(1996~2012年)および包括的な神経認知検査(2011~13年)により定義した。
主な結果は以下のとおり。
・OSAおよび睡眠時間は、認知症発症のリスクとの関連が認められなかった。
・判定済みのアウトカムを用いた場合、重度のOSA(無呼吸低呼吸指数:30回以上/時間 vs. 5回未満/時間)は、すべての認知症リスク(RR:2.35、95%CI:1.06~5.18)およびアルツハイマー型認知症リスク(RR:1.66、95%CI:1.03~2.68)の高さと関連が認められたが、心血管のリスク因子の調整によりその関連性は弱まった。
・判定済みのアウトカムを用いた場合、7時間未満の睡眠は、8~9時間の睡眠と比較し、すべての認知症リスクの高さと関連していた(RR:2.00、95%CI:1.03~3.86)。
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(鷹野 敦夫)