認知症に対する抗精神病薬処方、治療反応の予測因子は:慈恵医大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/09/04 東京慈恵会医科大学の永田 智行氏らは、精神病性攻撃的症状を有するアルツハイマー型認知症に対する、非定型抗精神病薬の8週間の治療継続および治療反応を、CATIE-AD(Clinical Antipsychotic Trials of Intervention Effectiveness-Alzheimer's Disease)データを用いて調査した。Journal of Alzheimer's disease誌オンライン版2017年8月9日号の報告。 治療介入が必要な精神病性攻撃的症状を有するアルツハイマー型認知症外来患者421例の臨床データを利用した。ベースラインの社会人口統計学的および臨床的特徴が、治療継続および治療反応に及ぼす影響を、ロジスティック回帰分析を用いて調査した。臨床的特徴は、CGI-C(臨床全般印象度の変化)、NPI(Neuropsychiatric Inventory)、BPRS(簡易精神症状評価尺度)を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・治療継続率は、48.7%であった。 ・欠測を直前の値で補完する LOCF法(last observation carried forward method)による治療反応率は、CGI-C 42.7%、NPI 48.6%、BPRS 37.5%であった。 ・白人患者331例における治療継続については、有意な予測因子が認められなかった。 ・より良好な治療反応の予測因子は、低MMSE(ミニメンタルステート検査)スコア、リスペリドン治療(オランザピン、クエチアピンと比較して)、糖尿病歴、より健康的な身体状態、より重度な初期精神病症状であった。 ■関連記事 認知症者への向精神薬投与は死亡率を高めているか 非定型抗精神病薬は認知症に有効なのか 警告後、認知症への抗精神病薬処方は減少したのか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Nagata T, et al. J Alzheimers Dis. 2017 Aug 9. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 抗精神病薬性の糖尿病、その機序とは 疫学(予後)(2013/10/23) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] アルドステロン産生腺腫に対する超音波内視鏡下経胃高周波アブレーション/Lancet(2025/02/21) 肥満者の鎮静下内視鏡検査、高流量鼻カニューレ酸素投与で低酸素症が減少/BMJ(2025/02/21) 妊娠糖尿病とメトホルミン―「非劣性試験で有意差なし」の解釈は難しい(解説:住谷哲氏)(2025/02/21) 第22回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2025(2025/02/21) 1日1杯の緑茶が花粉症を抑制か~日本人大規模コホート(2025/02/21) 日本における第2世代抗精神病薬誘発性ジストニア〜JADER分析(2025/02/21) 50代の半数がフレイルに相当!早めの対策が重要/ツムラ(2025/02/21) 飲食店メニューのカロリー表示は摂食障害の患者にとって有害(2025/02/21) [ あわせて読みたい ] 税理士の先生の紹介だから安心…、それホント?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第27回(2021/10/12) きれいにリフォームしても、高く売れるわけじゃないんです【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第26回(2021/09/27) まだ紙カルテだけど問題ない?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第25回(2021/09/13) 片頭痛特集まとめインデックス(2021/08/31) 「えっ!こんなに高く売れるの!?」、専任契約前の「見せ値」に注意【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第24回(2021/08/23) 院長が倒れた!残された家族は書類探しに大わらわ【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第23回(2021/08/06) 経営資料は秘密!? それは「身体を見ずに診察して」と同じですよ!【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第22回(2021/07/26) アクティブラーニングで英語習得!医療者限定のオンラインプログラム開講(2021/07/15) 総合内科専門医試験オールスターレクチャー 膠原病(2021/07/15) 総合内科専門医試験オールスターレクチャー 消化器(消化管)(2021/07/15)