家庭でのうつ病ケア、最善の選択肢は 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/09/08 タイ・マヒドン大学のKanokporn Sukhato氏らは、うつ病に利用可能なすべての家庭での非薬理学的介入に関する無作為化比較試験(RCT)のシステマティックレビュー、ネットワークメタ解析を行い、その効果を比較した。BMJ Open誌2017年7月12日号の報告。 Medline、Scopus、CINAHLの各データベースを用いて、2016年8月7日までの研究を検索した。研究には、うつ病患者に対する家庭での非薬理学的介入と通常ケアを比較したRCTが含まれた。主要アウトカムは、治療終了時のうつ症状スコアおよび寛解率とした。 主な結果は以下のとおり。 ・本レビューには、17研究が抽出された。 ・家庭での非薬理学的介入は、心理的介入、運動介入、心理的介入と運動介入の組み合わせ、補完的な薬物介入に分類された。補完的な薬物介入のアプローチは、異質であるため、メタ解析から除外した。 ・通常ケアと家庭での各非薬理学的介入のうつ症状スコアの標準化平均変化差は、心理的介入で-0.57(95%CI:-0.84~-0.31)、運動介入で-1.03(95%CI:-2.89~0.82)、心理的介入と運動介入の組み合わせで-0.78(95%CI:-1.09~-0.47)であった。 ・これらの結果より、家庭での心理的介入および心理的介入と運動介入の組み合わせが、うつ症状スコアを有意に低下させることが示唆された。 ・通常ケアと比較して、家庭での心理的介入(プールされたリスク比:1.53、95%CI:1.19~1.98)および心理的介入と運動介入の組み合わせ(プールされたリスク比:3.47、95%CI:2.11~5.70)の寛解率は有意に高かった。 ・研究されたすべての介入において、家庭での心理的介入と運動介入の組み合わせが寛解をもたらす可能性が最も高いことが示唆された。 著者らは「本研究において、うつ病治療における家庭での心理的介入および心理的介入と運動介入の組み合わせの有効性が確認された。家庭での心理的介入と運動介入の組み合わせは、最善の治療であり、うつ病管理のための臨床ガイドラインに含めることを考慮すべきである」としている。 ■関連記事 たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能 早期改善が最も期待できる抗うつ薬は うつ病の再発を予測する3つの残存症状:慶應義塾大 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Sukhato K, et al. BMJ Open. 2017;7:e014499 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 高リスクくすぶり型多発性骨髄腫、ダラツムマブ単剤が有効/NEJM(2025/01/07) 2型糖尿病発症予防のためにダークチョコレートを毎日食べますか?(解説:住谷哲氏)(2025/01/07) ダトポタマブ デルクステカン、HR陽性/HER2陰性乳がんに承認/第一三共 (2025/01/07) 「小児・AYA世代がん患者等の妊孕性温存に関する診療GL」第2版が発刊(2025/01/07) 各向精神薬の投与量は死亡リスクとどのように関連しているか(2025/01/07) Ca拮抗薬・NSAID・テオフィリンと逆流性食道炎リスク/国立国際医療研究センター(2025/01/07) 健康な高齢者では高用量ビタミンDで糖尿病リスクは低下しない(2025/01/07) 紙巻きタバコと電子タバコの併用は禁煙成功率を下げる(2025/01/07) 無症候性アテローム性動脈硬化症の負担は全死亡と関連(2025/01/07) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)