統合失調症患者の暴力行為が魚油摂取で改善 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/09/21 統合失調症患者の症状や暴力行為の減少と、毎日の魚油(DHA 360mgとEPA 540mg)摂取との関係について、中国・上海交通大学医学院のYi Qiao氏らが検討を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2017年8月19日号の報告。 ICD-10基準を満たし、攻撃的行動尺度(MOAS)4点以上で、抗精神病薬治療を受けている統合失調症入院患者50例を対象に、魚油群(28例)またはプラセボ群(22例)に無作為に割り付け、12週間の投与を行った。評価は、ベースライン時および4、8、12週目に行った。 主な結果は以下のとおり。 ・PANSSおよびCGIスコアは、4、8、12週目に減少が認められたが、両群間で差は認められなかった。 ・MOASスコアは、4、8、12週目で有意に低下した。 ・12週目の魚油群のMOASスコアは、プラセボ群より有意な低下が認められた(t=-2.40、p<0.05)。 著者らは「暴力的な統合失調症患者に対する魚油(DHA 360mgとEPA 540mg)の投与による治療は、プラセボと比較して暴力性の減少を示したが、陽性および陰性症状の改善については優れていなかった」としている。 ■関連記事 統合失調症患者の家庭での暴力行為に関する調査:東京大学 日本人統合失調症、暴力行為の危険因子は:千葉大 魚を食べると認知症は予防できるのか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Qiao Y, et al. Schizophr Res. 2017 Aug 19. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 統合失調症と気分障害の入院患者における代謝障害の相違点 医療一般 日本発エビデンス(2020/10/22) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] クローズアップ!精神神経 7疾患(2021/01/26) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24)