過食症の抑うつ症状、有効な介入は 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/09/22 抑うつ症状は、神経性過食症(BN)の重要なリスクファクターであり、過食や排出行動に影響を及ぼす。精神療法は、短期および長期間のBN症状軽減に有効であるが、BNの抑うつ症状の軽減にも有効であるかは不明である。オーストラリア・カトリック大学のJake Linardon氏らは、短期および長期間のBN患者の抑うつ症状に対する精神療法の有効性を調査した。The International journal of eating disorders誌オンライン版2017年8月14日号の報告。 BN患者の抑うつ症状をアウトカムとして評価した無作為化比較試験(RCT)より、26研究が抽出された。 主な結果は以下のとおり。 ・精神療法治療群では、待機群よりも、治療後に抑うつ症状の軽減が認められた(g=0.47)。 ・この効果は、指導された自己治療よりも、セラピストの主導による治療を行った際に最も大きかった。 ・精神療法と抗うつ薬の間に、有意な差は認められなかった。 ・治療後の抑うつ症状軽減について、認知行動療法(CBT)と他の精神療法との間に有意な差は認められなかった。 ・しかし、セラピストの主導によるCBTのみを分析した場合、セラピストの主導によるCBTは、他の精神療法と比較し、抑うつ症状軽減について有意に良好であった(g=0.25)。 ・抑うつ症状の改善値は、BN症状の改善値により予測された。 著者らは「これらの知見より、BN患者の抑うつ症状を短期間で軽減させるために、精神療法は有効であることが示唆された。この効果が長期間持続するかは、フォローアップ評価が実施された研究があまりにも少ないため、確定されていない。さらに本所見は、BN症状の先駆け的な治療であることに加え、CBTが、BN患者で一般的に認められる抑うつ症状を改善するための最も効果的な精神療法であることを示唆するものでもある」としている。 ■関連記事 摂食障害への薬物療法、最新知見レビュー 双極性障害患者の摂食障害合併、傾向と予後は セロトニンの役割、摂食障害や肥満治療への期待 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Linardon J, et al. Int J Eat Disord. 2017 Aug 14. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 双極性障害で過食行動を合併しやすい患者の特徴 医療一般(2017/09/28) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] アルドステロン産生腺腫に対する超音波内視鏡下経胃高周波アブレーション/Lancet(2025/02/21) 肥満者の鎮静下内視鏡検査、高流量鼻カニューレ酸素投与で低酸素症が減少/BMJ(2025/02/21) 妊娠糖尿病とメトホルミン―「非劣性試験で有意差なし」の解釈は難しい(解説:住谷哲氏)(2025/02/21) 第22回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2025(2025/02/21) 1日1杯の緑茶が花粉症を抑制か~日本人大規模コホート(2025/02/21) 日本における第2世代抗精神病薬誘発性ジストニア〜JADER分析(2025/02/21) 50代の半数がフレイルに相当!早めの対策が重要/ツムラ(2025/02/21) 飲食店メニューのカロリー表示は摂食障害の患者にとって有害(2025/02/21) [ あわせて読みたい ] クローズアップ!精神神経 7疾患(2021/01/26) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24)