抗精神病薬使用の国際動向~16ヵ国調査

アイスランド・アイスランド大学のOskar Halfdanarson氏らは、抗精神病薬の使用における国際的な傾向を、標準化された方法論を用いて評価した。European neuropsychopharmacology誌2017年10月号の報告。
世界16ヵ国より2005~14年までのデータを抽出し、反復横断調査を実施した。
主な結果は以下のとおり。
・調査対象国16ヵ国中10ヵ国において、調査期間中の抗精神病薬使用率が増加した。
・2014年の抗精神病薬使用率は、台湾(78.2人/千人)が最も高く、コロンビア(3.2人/千人)が最も低かった。日本は、17.9人/千人であった。
・小児および青年(0~19歳)における抗精神病薬使用率は、台湾(30.8人/千人)が最も高く、リトアニア(0.5人/千人)が最も低かった。日本は、3.2人/千人であった。
・成人(20~64歳)における抗精神病薬使用率は、米国公的保険被保険者(78.9人/千人)が最も高く、コロンビア(2.8人/千人)が最も低かった。高齢者では、台湾(149.0人/千人)が最も高く、コロンビア(19.0人/千人)が最も低かった。日本は、成人22.0人/千人、高齢者19.8人/千人であった。
・非定型抗精神病薬使用は、全集団において増加しており、非定型/定型比は0.7(台湾)~6.1(ニュージーランド、オーストラリア)の範囲であった。
・クエチアピン、リスペリドン、オランザピンが最も頻繁に使用されていた。
・抗精神病薬の使用率およびパターンは、国により著しく異なっていた。
・大部分の集団において、抗精神病薬(とくに非定型抗精神病薬)使用は、時間とともに増加した。
・一部の国における高齢者および青年における抗精神病薬使用割合の高さについては、さらなる調査およびシステマティックな薬剤疫学的モニタリングを必要とする。
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