小児攻撃性に対する抗精神病薬の効果~メタ解析 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/11/10 小児における攻撃性や過敏性は、診断のさまざまな段階で認められ、経済的なコストおよび負の社会心理的アウトカムと関連している。このような場合、抗精神病薬が一般的に用いられる。米国・イェール大学のGerrit I van Schalkwyk氏らは、小児の攻撃性および過敏性に対する抗精神病薬の効果についてメタ解析を行った。Expert review of neurotherapeutics誌2017年10月号の報告。 14件の無作為化比較試験のランダム効果メタ解析を行った。攻撃性および過敏性に対する抗精神病薬の全体的なエフェクトサイズを算出した。診断指標、特定の薬剤、鎮静の程度によってサブグループ解析を行った。抗精神病薬の用量効果を調べるため、メタ回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・全体として、抗精神病薬は、攻撃性および過敏性の軽減に有効であった(SMD:0.74、95%CI:0.57~0.92、z=8.4、p<0.0001)。 ・層別サブグループ解析では、個々の抗精神病薬の有効性に違いは認められなかった(χ2=1.1、df=3、p=0.78)。 ・アリピプラゾールおよびリスペリドンは、プラセボよりも有意なベネフィットを有していた。 ・抗精神病薬の効果には、診断指標に基づく有意な違いは認められなかった(χ2=4.2、df=4、p=0.39)。 ・メタ回帰分析では、全体的な用量効果は認められなかった。 著者らは「臨床データでは、攻撃性および過敏性に対するアリピプラゾール、リスペリドンの効果が認められた。他の薬剤では、利用可能なデータが不十分であった。根本的な診断、薬剤の選択もしくはその鎮静作用の程度に基づく効果の違いは、利用可能なデータでは認められなかった」としている。 ■関連記事 小児不安症に効果的な治療は 日本人自閉スペクトラム症に対するアリピプラゾールの長期効果は たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら van Schalkwyk GI, et al. Expert Rev Neurother. 2017;17:1045-1053. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) Dr.ゴン流ポケットエコー簡単活用術(2014/06/11) 診療よろず相談TV(2013/10/25) ここから始めよう!みんなのワクチンプラクティス ~今こそ実践!医療者がやらなくて誰がやるのだ~(2014/05/15) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24)