初回エピソード統合失調症の灰白質に対するω-3脂肪酸の影響 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/12/20 初回エピソード統合失調症患者に対する追加療法としての、n-3多価不飽和脂肪酸(PUFA)使用に関連する皮質厚の変化について、ポーランド・ウッチ医科大学のTomasz Pawelczyk氏らが評価を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2017年10月24日号の報告。 イコサペント酸エチル(EPA)およびドコサヘキサエン酸エチル(DHA)、またはプラセボ(オリーブ油)2.2g/dを含む濃縮魚油で26週間の介入を行う、二重盲検ランダム化比較試験を実施した。皮質厚の変化を評価するため、介入前後にMRIスキャンを行った。各対象者のT1強調画像は、FreeSurferを用いて解析した。 主な結果は以下のとおり。 ・適切な品質のデータが得られた対象者は29例であった。 ・統合失調症への関連を示唆する機能不全である、左脳半球のブロードマン7野と19野の頭頂後頭領域において、群間に皮質厚減少の有意な差を認めた。 ・本結果は、高齢者および軽度認知障害を有する患者において実施されたこれまでの研究結果を支持し、とくに統合失調症のような神経変性疾患の初期段階にn-3PUFAが神経保護作用を有することが示唆された。 著者らは「本結果が再現されれば、n-3PUFAは、統合失調症の長期治療において抗精神病薬の有望な併用薬として、臨床医に推奨される可能性がある」としている。 ■関連記事 統合失調症とω3脂肪酸:和歌山県立医大 統合失調症患者の暴力行為が魚油摂取で改善 初発統合失調症患者の脳変化を調査 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Pawelczyk T, et al. Schizophr Res. 2017 Oct 24. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)