新しいドパミン受容体パーシャルアゴニスト、ブレクスピプラゾール 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/03/01 ブレクスピプラゾールは、アリピプラゾールと同クラスの新規ドパミン受容体パーシャルアゴニストの抗精神病薬である。オーストラリア・モナッシュ大学のJudy Hope氏らは、ブレクスピプラゾールについてのレビューを行い、アリピプラゾールとの比較を行った。Australasian psychiatry誌2018年2月号の報告。 主な結果は以下のとおり。 ・ブレクスピプラゾールは、アリピプラゾールと同様に、ドパミンD2およびセロトニン5-HT1A受容体に対しパーシャルアゴニストとして作用し、セロトニン5-HT2Aおよびノルアドレナリンα1B受容体に対しアンタゴニスト作用を示す薬剤である。 ・しかし、ブレクスピプラゾールとアリピプラゾールは、さまざまな受容体に対する作用の強さが有意に異なる。 ・ブレクスピプラゾールの抗精神病作用は、アリピプラゾールと同等であると予測されるが、アカシジア、錐体外路系副作用(EPS)、賦活化がより少ない可能性がある。 ・承認申請時の臨床試験において、ブレクスピプラゾールは、短期的および長期的な研究で、抗精神病作用が認められており、抗うつ薬治療抵抗性うつ病患者に対する補助療法として有効であることもわかっている。 ・アカシジアは、軽度の体重増加やプロラクチン上昇と同様に、治療早期に発現する。 著者らは「ブレクスピプラゾールは、承認申請時の臨床試験データから、アリピプラゾールと同等の有効性を有し、アカシジアを発現しづらいことが示唆されている。また、米国においては、アリピプラゾールと同様に、統合失調症および抗うつ薬治療抵抗性うつ病に対して承認されている。今後、より多くの臨床経験が必要ではあるが、ブレクスピプラゾールは、アリピプラゾールとは異なると考えられ、精神疾患や気分障害の治療における代謝機能への影響の少ない新たな抗精神病薬の治療選択肢となりうる」としている。 ■関連記事 開発中のブレクスピプラゾール、その実力は 本当にアリピプラゾールは代謝関連有害事象が少ないのか 高プロラクチン血症、アリピプラゾール切り替えと追加はどちらが有効か (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Hope J, et al. Australas Psychiatry. 2018;26:92-94. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 5-HT1A受容体が精神科薬物治療で注目されている 医療一般(2013/06/28) 利尿薬に低用量ドパミンを上乗せするメリットは?:腎機能障害を有する急性心不全患者/JAMA ジャーナル四天王(2013/12/18) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 急性脳梗塞、再灌流後のtenecteplase動注は有益か/JAMA(2025/01/23) 妊娠糖尿病、メトホルミン±SU薬vs.インスリン/JAMA(2025/01/23) 透析中の骨粗鬆症患者へのデノスマブは心血管イベントリスクを上げる可能性/京都大(2025/01/23) MASLD患者の転帰、発症リスクに性差(2025/01/23) 25種類の治療抵抗性うつ病治療の有効性比較〜ネットワークメタ解析(2025/01/23) タバコを1本吸うごとに寿命が22分縮む?(2025/01/23) 米アルツハイマー病協会が新たな診療ガイドラインを作成(2025/01/23) [ あわせて読みたい ] クローズアップ!精神神経 7疾患(2021/01/26) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24)